古典を超える宋朝体がデジタル時代にフォントの革命を起こす
20世紀初頭、ある兄弟が宋朝の文字で印刷された書籍を集め、職人に依頼して書籍の文字を模して彫らせた「聚珍仿宋」という活字書体を開発したことがきっかけで、宋朝体は東アジアの印刷書体として1つのカテゴリーを確立しました。 21世紀になり、ダイナコムウェアは宋朝体を踏襲した書体デザインを追求し、印刷用の書体という従来の概念を覆してきました。
そして、今回ディスプレイ表示向けに細部にわたり大幅な修正を行い、革新的な表示効果をもたらす「玉刻華宋」として生まれ変わらせました。
玉(ぎょく)の輝きのように、
デジタル表示に透明感を演出する書体
細部を調整することにより、どのデバイスでもクリアな表示を実現しました。
シンプルですっきりとした画線によりクリアな表示を実現させ、ふところを中庸にすることで小さな文字でも潰れやかすれが起こりにくく設計しています。
また、ちらつきがなく滑らかな読み心地を目指して黒みのバランスを調整するなど強さの中に柔らかさのある画線がディスプレイ表示の読み心地を向上させました。
デジタル表示用というだけではなく、活字のエッセンスにより、主流のフォントとは、また一味違ったエレガントな雰囲気をもたらします。
活字の歴史を遡り、
各文字のデザインに落とし込む
かなは「津田三省堂」のタイトルとして使われている宋朝体のかな活字をベースに、漢字の要素も取り入れたデザインです。モダンさを追求したシンプルな骨格により、金属に彫刻したような硬さを和らげ、新時代のかなにふさわしいスタイルを生み出しました。
欧文・記号は一般的な宋朝体に使われている古典的なセリフ体ではなく、古代ローマの碑文石や人文主義的(Humanist)な手書きのスタイルからインスピレーションを得て、ここにセリフの要素と漢字の筆画の特徴を融合させることで滑らかながらも活力に満ちた、漢字・かなとも一体感のあるデザインに仕上がりとなりました。
各文字や記号に、共通点を持たせている
漢字のエレメントを取り入れ、斬新な独自のスタイルを表現。