ダイナフォントストーリー

カテゴリー:ダイナフォントストーリー
2025/02/05

フォント制作ワークショップの3年間の変遷について舟山貴士先生と茂木駿太郎さんに語ってもらった

ダイナコムウェア株式会社×東京工科大学デザイン学部 フォント制作ワークショップ

東京工科大学デザイン学科視覚デザインコースに通う茂木 駿太郎と東京工科大学デザイン学部助教の舟山先生による2ショット(東京工科大学 蒲田キャンパスにて撮影)
東京工科大学デザイン学科視覚デザインコースに通う茂木 駿太郎と東京工科大学デザイン学部助教の舟山先生による2ショット(東京工科大学 蒲田キャンパスにて撮影)

 
ダイナコムウェア株式会社と東京工科大学様の産学連携により2022年から始まった「ダイナコムウェア株式会社×東京工科大学デザイン学部 フォント制作ワークショップ」は2024年に3年目を迎えました。
今回、ワークショップをご担当いただいている舟山 貴士先生と3年連続で参加していただいている学生の茂木 駿太郎さんに3年間の変遷などのお話を伺いました。

 
一お陰様で東京工科大学様との産学連携によるフォント制作ワークショップは3年目も無事開催することができました。舟山先生には色々な面でご尽力いただき、誠にありがとうございます。まずはワークショップの詳細に関しまして教えていただけますか。
舟山先生:フォント制作ワークショップは3年とも「詩、小説、ドラマなどをもとにイメージした『かな書体』の作成」を制作テーマに行っています。好きな詩や小説などから文字をイメージしてもらい、タイトルや印象的なセリフを組める20文字くらいを目標にしているのですが、参加した多くの学生がひらがな50音に取り組んでくれています。当初、取っ組みやすさから欧文の制作も検討していましたが、ダイナコムウェアから新海さんと中村さんに来ていただいているので専門性が出てこないともったいなぁと思ってひらがなの作成にしました。


一新海と中村は主にかなのデザインを担当しているので、ご配慮いただきありがとうございます。2024年ではプログラムの一部を見直しれたそうですね。
舟山先生:参加した学生全員が制作まで完結できるようにフォント制作ソフトウェアの試用期間の1ヶ月でプログラムを組んでいます。8月の1週目で画材を使ったスタディ、2週目にダイナコムウェアさんに “フォントの仕事とは” というテーマで講義をしていただき、3週目にお盆を挟んで4週目に作業会、5週目で再びダイナコムウェアさんに来ていただいて最終発表という形にしていました。2024年からは新たにその4週目に発表直前会を設けました。発表直前会は制作がどこまで進んでいるのか確認するための会です。これまでは4週目にみんなで作業しようといった会を設けていたのですが、その会は参加するかどうかが任意だったため、参加者の中でも作業の進捗に差が生まれてしまっていました。そこで最終発表の直前で一度進捗を確認するという機会を設けることで、直前の前の段階のお盆でもう一頑張ることができるかなと思って設置することにしました。ワークショップが1ヶ月という短い期間なので作れる文字は少ないのですが、発表直前会で最終発表に向けて可能な限りアドバイスしています。
茂木さん:発表直前会があることでそのときに周りから刺激をもらえるようになって、制作への気合もより高まるようになりました。

 
東京工科大学 蒲田キャンパスの教室内でお話を伺う
東京工科大学 蒲田キャンパスの教室内でお話を伺う
 
舟山先生と茂木さんにはワークショップの3年間について語ってもらった
舟山先生と茂木さんにはワークショップの3年間について語ってもらった
 
一モチベーションにも繋がって発表直前会の導入は大成功ですね。年を追うごとも制作に使う画材自体もどんどん増やされているとか。
舟山先生:ワークショップでは一番最初に色々な画材を使うことからスタートします。いきなり文字を作るとなると取っ掛かりもないでしょうし、書く筆記用具によって造形が変わるので筆ペンや蛍光ペンなどの画材から、割りばしに墨汁をつけてみるなどのアイデアを準備しました。その中で好きなモノを使って色々なストロークを書いてみてもらっています。2年目以降も茂木さんが1年目のワークショップでも使っていたカリグラフィーペンを増やしてみたり、画材自体を増やしていっています。

 
様々な画材を使用して文字を制作するスタディの様子1
様々な画材を使用して文字を制作するスタディの様子1
 
様々な画材を使用して文字を制作するスタディの様子2
様々な画材を使用して文字を制作するスタディの様子2
 
茂木さん:1年目に制作した「もえがら」ではカリグラフィーペンを使用し、2年目に制作した「ふぉーくろあ」はワークショップの講義の “何で書くか、何に書くか” から派生して筆を用いて制作しました。
 
茂木さんによるフラクトゥール体の練習の様子と使用したカリグラフィーペン
茂木さんによるフラクトゥールの練習の様子と使用したカリグラフィーペン
 
茂木さんによる筆ペンでの練習の様子
茂木さんによる筆ペンでの練習の様子
 
一2年目からは制作フォントをまとめた冊子「ダイナコムウェア株式会社×東京工科大学デザイン学部 フォント制作ワークショップ記録集」もスタートされましたよね。
舟山先生:せっかくフォントを制作しているということもあって、ワークショップで学生達が制作したフォントについてまとめる冊子の制作も2年目からスタートしました。冊子では参加者にフォントの全字形一覧やイメージなどを作ってもらい、全員分のフォントを掲載しています。完成した冊子はオープンキャンパスなどでたくさんの方に興味をもって見ていただけています。また、この冊子自体もワークショップに参加した学生に制作を担当してもらっています。
茂木さん:2023年版は自分が担当させていただきました。
舟山先生:2024年は現在制作中ですが、茂木さんの後輩の2名が担当していて、茂木さんにはオブザーバーとして参加してもらっています。

 
2023年版はロゴデザインも含めて冊子全ページを1人で担当されたとのこと
2023年版はロゴデザインも含めて冊子全ページを1人で担当されたとのこと
 
当初なかった体験レポートのページは茂木さんの発案による
当初なかった体験レポートのページは茂木さんの発案による
 
一2024年の完成も楽しみです。それでは最後に舟山先生から見た茂木さん、茂木さんから見た舟山先生の印象を教えていただけますか。
舟山先生:茂木さんのことは文字に関する意識が高い学生だと思って見ています。3年連続でワークショップに参加する中で今年はバリアバルフォントに挑戦するなど、その年毎に自分のやりたいポイントがはっきりしていて頼もしいです。全てを把握できているわけではないのですが、写真集を制作する課題やブランディングの課題においても、自分自身の強みを活かして色々できていると思います。来年は卒業制作などもあるのでワークショップへの参加自体は分かりませんが、将来を見据えて引き続き頑張ってもらいたいです。
茂木さん:先生は一体いつ寝てるのかなぁと心配になる程、色々なことに没頭されています。うちの大学の中でも専門性が高い文字の分野に精通されていて自主制作もオープンにされているのでとても勉強になります。普段から物腰柔らかで明るい先生なのでとても質問しやすく、困った時にすぐ質問しにいける先生がいることはとてもありがたく自分の成長の上でも支えになってくれている存在です。舟山先生に教えていただけることも含めて東京工科大学に入って本当に良かったなぁと常々感じています。

一お二人のコメントから文字を通じた絆というか師弟愛のようなものを感じました。フォント制作ワークショップに関しましても2025年以降も今後も引き継続していっていただけるとダイナコムウェアとしてもとてもありがたいです。本日は誠にありがとうございました。

 
舟山 貴士先生Profile写真
舟山 貴士
Profile●グラフィックデザイナー/東京工科大学 デザイン学部 助教
書籍のデザインを中心に、美術館図録や、雑誌、カタログなどのエディトリアルデザイン、イベントや企業のロゴデザインなどのグラフィックデザインを行っています。
舟山制作室URL:https://mt-funa.com/work
X URL:https://x.com/mt_funa

 
東京工科大学の茂木 駿太郎さんProfile写真
茂木 駿太郎
Profile●東京工科大学 デザイン学部 視覚伝達コース大学では主にグラフィックデザインを学ぶ。
文字に興味があり、作字やフォント制作を通して理解を深めている。

 
今回の記事の他に、茂木さんが冊子デザインを担当した「ダイナコムウェア株式会社×東京工科大学デザイン学部 フォント制作ワークショップ2023 記録集」採用事例に関する記事や茂木さんがワークショップで制作した3年分のフォントに関してインタビューした記事も公開中となりますので、ぜひご一読ください。
 

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