ダイナフォントストーリー

カテゴリー:【文字ジャーニー】文字の会社で働く人
2024/11/14

体験設計のスペシャリスト・XDコーディネーター三島竜輔

ダイナコムウェア株式会社 第8営業部

体験設計のスペシャリスト・XDコーディネーター 三島 竜輔
 サービスや製品などの使用からユーザーが得られる体験を表わす『ユーザーエクスペリエンス(UX)』は多くの人にとって聞き覚えのある言葉ではないでしょうか。
『体験設計(XD)』はそこから一歩進んでユーザーや顧客のみを対象とするだけでなく、提供側の雇用者、開発者、そして社会の多くの人々を対象として、その経験価値を高めるために設計、デザインを展開することを意味します。
2016年に設立されたCXDSは体験設計に関する情報交換や連携を通じ、ものづくり関連産業の発展に貢献するために発足された組織です。定期的なフォーラムやセミナー、体験設計認証制度などといった多角的な活動を続ける中、2023年からはXDコーディネーターを養成する講座も立ち上がり、2024年現在、2期目の講座が行われています。
ダイナコムウェア株式会社 第8営業部の営業担当である三島 竜輔はXDコーディネーター養成講座の1期生として2023年に講座を受講し、審査の結果、XDコーディネーターの認定を受けました。
『体験設計(XD)』という言葉に聞きなれていないという方もまだ多くいらっしゃると思いますので、XDコーディネーターの詳細や組込み用フォントとの関連性について三島にインタビューを実施しました。

 
一はじめにCXDSという組織について教えていただけますか。
CXDSは正式名称を体験設計支援コンソーシアムと言い、社会に暮らし働く人たちの経験価値を高めることを目的とした設計・デザイン思想である、体験設計を推進する活動を行うためのコンソーシアムです。優れた体験設計を提供する製品/サービスの認証、企業の分野の垣根を超えた交流、ビジネス協創のための研究会、サロンの開催、また体験設計の思想や手法を持った人材を育成するための講座など、多岐にわたる活動をしています。

一体験設計を推進するCXDSによる様々な活動の一環としてXDコーディネーターの養成もあるんですよね。それではXDコーディネーターの認定取得に至った経緯も含め、XDコーディネーターの詳細について教えていただけますか。
ダイナコムウェア株式会社がCXDSに所属している縁で、これまでもCXDSのセミナーやフォーラムなどを通じてCXDSの活動に関わってきました。その中で体験設計という考え方に興味を抱いていたところ、ちょうど2023年度にXDコーディネーター養成講座がスタートし、受講することにしました。XDコーディネーターは体験設計の思想や手法について理解し、それに基づき事業における経験価値の創出プロセスを調整する能力があることを認める資格となります。具体的にはユーザーの本質的欲求を抽出し、その欲求を体現するような新しい体験のアイデア創出を行い、更にそれを実現する機能や仕様を探索していく工程です。上位下位関係分析や多重のシナリオ化を行うことで、新しい体験を考え出すという難しい作業に体系的なプロセスを導入することができます。認定いただいた後は、認定講座2024年カリキュラムでの指導や新しい体験価値創出のためのイベントである協創サロンのサポートなども行っています。

一体験設計について学べる講座は営業職はもちろん、デザイナーやエンジニアなど、様々なポジションにおいてもとても役に立ちそうです。実際にXDコーディネーター養成講座ではどのような内容が行われるのでしょうか。
講座はセミナーとワークショップから構成されています。講座の前半でデザイン的思考や体験設計などについてセミナーを通じて学んでいき、後半でシナリオプレゼンといった実践的なワークショップが行われます。また各講座終了後にレポートの提出があり、その内容を講師陣が審査していき、認定の可否を決定する流れです。2024年度は5月に第1回「デザイン的思考のビジネス」というセミナーでスタートして10月まで月1回のペースの全6講座が実施されます。

一セミナーに実践的なワークショップ、またレポートなど課題を通じてのアウトプットというた充実した講座の中で、体験設計のスペシャリストが生まれていくわけですね。さてCXDSの活動の1つである体験設計認証(CXD)の体験設計支援ツール部門として「金剛黒体」も選出されていますが、XDコーディネーターとしての視点で「金剛黒体」についてどのようにお考えですか。
UIの体験において、その起点となる液晶表示情報の認知は非常に重要なプロセスです。その情報の認知を行う際に、「金剛黒体」のCXD認証への選定理由でもある『優れた視認性と読み心地を備えており、統一されたデザインで多言語対応されている。』という点は非常に重要な要素になります。老若男女に加えて多様な文化的・言語的背景を持つUI利用者の体験の起点として最適なフォントが、「金剛黒体」だと考えています。

一XDコーディネーターの視点での「金剛黒体」の評価、ありがとうございます。「金剛黒体」は2024年現在では19言語まで多言語を拡充するなど、多様な文化的・言語的背景を持つUI利用者に向けて、ますます体験設計に相応しいフォントとして進化を続けていますよね。最後の質問になりますが、セールスを手掛けている「組込み用フォント」との関連性やXDコーディネーター取得後に、フォントに対する意識の変化、XDコーディネーターとしての今後の展望、意気込みなどあれば教えていただけますか。
組込み機器向けのフォント製品の本質的な目的は、UI利用者の経験価値を向上させることにあると気付きました。伝えたい情報を広く認知させたい、正確に伝達させたい、深く理解させたい、感情を想起させたい、と各機器に求められる仕様は異なっており、そこに対して利用者体験の点から必要な要素としてフォント提案を行えるようになりました。本来は非常に主観的で数字に換算しきれないはずの個人の体験に価値を見出し、それを新しく想像するという発想は色々な分野で重要なことだと思っています。現在、私は営業職ですが、自身の得意領域における体験設計を考えて実践していきたいです。

一本日はありがとうございました。XDコーディネーターと「組込み用フォント」が起こす更なる化学反応に期待しています!

XDコーディネーター認証を受けた三島のコメントがCXDS公式サイトで公開中ですのでぜひご一読ください。
「営業の立場として、顧客視点での新たな体験価値を提供してゆきたい」はこちら

 
XDコーディネーター養成講座受講中の様子XDコーディネーター養成講座受講中の様子
 

 
イベントでの接客中の様子イベントでの接客中の様子

 
CXDS 体験設計支援コンソーシアム
CXDS 体験設計支援コンソーシアム公式サイト
URL:https://www.cxds.jp

 
CXDS 体験設計支援コンソーシアム
体験設計(Experience Design)は、組込技術、IoT、ロボット、AIなどの様々な革新技術やアイデアで、人と社会の新たな経験価値を創造する行為です。この体験設計に関わる情報・知識・手法・課題等について情報交換と連携を行う事を目的として「体験設計支援コンソーシアム(CXDS)」は、2016年に設立されました。CXDSはものづくり関連産業をはじめ、あらゆる産業の発展を体験設計で支援し、中小企業が持つ独自のノウハウ、技術、製品、システム、サービスを互いに情報交換し、企業が連携して協業ビジネスを立ち上げ共創する場を提供しています。
XDコーディネーター
企業や組織が新しいビジネスの提供価値を創造する体験設計(XD:Experience Design)の体系的な知識とスキルを習得し、これを活用したビジョンから製品、システム、サービスの企画・設計・開発をリードし、社会実装するまでのチームとプロセスをコーディネイトする体験設計スペシャリストの資格です。
 
体験設計認証 Certified Experience Design(CXD)
体験設計認証 Certified Experience Design(CXD)とは、「製品・システム・サービス等に関わる全ての人(1)に、優れた体験(2)を提供する企業の連携事業成果を認証し(3)、広く社会に知らしめることを通じて、体験設計支援コンソーシアム(CXDS)会員をはじめとする多くの企業の体験設計を支援、推進する。」制度です。2019年に行われた第1回体験設計認証(CXD)にて、ダイナフォント「金剛黒体」が体験設計支援ツール部門で認証を受けています。
「金剛黒体」が第1回体験設計認証(CXD)で体験設計支援ツール部門を認証はこちら


 
体験設計認証を受賞した多言語統一UIフォント「金剛黒体」
「金剛黒体」は液晶における表示ニーズに対応した快適な視認性を持つゴシック体です。12種類のウエイトと豊富な多言語に対応しており、国内向け、国外向け製品で文字デザインを統一化できるため、ローカライズ案件にも適しています。
「金剛黒体」特設サイトはこちら

体験設計認証を受賞した多言語統一UIフォント「金剛黒体」
三島 竜輔
1987年生まれ。岐阜県出身。新卒で出版流通会社へ入社し、ブックカフェ運営、電子書籍営業などを経てダイナコムウェアに入社。 ダイナコムウェアでは第8営業部にて、電子機器向け組込み用フォントの営業を担当。
前回の記事「和して、同ぜず/組込み用フォント(Embedded DynaFont)担当 三島 竜輔」はこちら

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