ダイナフォントストーリー

カテゴリー:DynaFont採用事例
2024/07/17

フォントかるた 2nd edition

DynaFont採用事例

DynaFont採用事例「フォントかるた 2nd edition」
ⓒ 2022 Font karuta LLC
 
フォントかるた合同会社が2024年4月に発売した「フォントかるた 2nd edition」の取り札にダイナフォント3書体が採用されました。
「フォントかるた 2nd edition」は、フォント名と解説文を読み上げて札を取る大人気かるたゲームとしてシリーズ累計15,000部以上を販売している「フォントかるた」のリニューアル版です。
「フォントかるた 2nd edition」では48種類の収録フォントのラインナップの刷新およびフォントの見分けポイントを分かりやすいよう解説文を整備することで、より一般の方にも分かりやすく、そして親しみやすい内容へと進化しました。
48枚ある取り札からは「玉刻華宋W4」、「綜藝体W7」、「金文体W5」のダイナフォント3書体が採用されています。
今回、フォントかるた制作チーム様(フォントかるた合同会社)に「フォントかるた 2nd edition」についてお話を伺いました。

 
―本日はよろしくお願いします。早速ですがリニューアルした「フォントかるた 2nd edition」のポイントを教えていただけますか。
ご好評をいただいた旧版から得た経験を活かし、より楽しく遊べるように、より豊かな書体の世界を味わっていただけるように改良しました。これまで同様、多くの方々に遊んでいただけると嬉しいです。

―確かに刷新した「フォントかるた 2nd edition」のフォント解説文からは今まで以上に、あまりフォントに馴染みのない方にも寄り添われた分かりやすさになっていて、特徴とともにその魅力も伝わってくる印象を受けました。「フォントかるた 2nd edition」の発売で、ますますフォント好きの拡大にも貢献していただけそうで業界にいる人間としても、とても有難いです。それでは今回「フォントかるた 2nd edition」にご採用いただきましたダイナフォント3書体に関しましての選定理由を教えていただけますか。
『フォントかるた 2nd Edition』には、以下の6つの観点で各メーカーさまのフォントを選定させていただいています。
①に書体の系統をバランスよく網羅すること(明朝体、角ゴシック体、丸ゴシック体、機能書体、歴史書体、筆文字、デザイン書体など)、②に古くからある、あるいは名前がよく知られている書体、③に見分けやすい特徴があること、④に名前は知らなくてもよく見かけているはずの書体、⑤にフォントかるた制作チームが遊ぶ方に知って欲しい(推し)フォント、⑥に詳しく特徴を捉えないと取れない高難度のものから、一瞬で見分けられるものまで難易度の高低があることです。 「玉刻華宋W4」と「金文体W5」の2書体については主に上記①の歴史書体として選ばせていただきました。篆書体、宋朝体といった書体は漢字書体のルーツでもあり、必ず入れたいと思っていました。 歴史書体のベースは漢字のみですが、日本語フォントとして使用するには和字(ひらがなかなやカタカナ)を組み合わせる必要があり、漢字とデザインのイメージを合わせるのは難しいことだと思います。そのせいもあるのか、これら歴史書体の復刻フォントはあまり数が多くありません。ダイナフォントには、こういった歴史的な書体を和字とうまく組み合わせたフォントが多数あります。また歴史ある書体の復刻というだけでなく、デジタルデバイスでも見やすい工夫がされているなど現代でも使いやすいフォントになっています。今回はその中から篆書体の代表として「金文体W5」、宋朝体の代表として「玉刻華宋W4」を採用させていただきました。  

 
玉刻華宋W4
玉刻華宋W4書体見本
中華民国初期の宋朝体から実際に印刷された書体見本を参考に設計された書体です。明朝体と楷書体のエレメントを兼ね備えた縦長の字形と力強く鋭い画線という特長に加え、古代ローマの碑文石や人文主義的(Humanist)な手書き書体を取り入れています。
・「玉刻華宋」特設サイトはこちら

 
金文体W5
金文体W5書体見本
中国戦国時代の “中山王方壺” に鋳込み刻まれた金文を元に、そのイメージを壊さず神秘性や独創性を高め現代的な感覚でリデザインした書体です。漫画・小説の題名や、様々な商品パッケージ、また、看板など様々な場面で採用いただいています。
・「DynaFont PICK UP書体-金文体」はこちら

 
「綜藝体W7」は、主に上記⑤の観点から選ばせていただきました。 今でこそ、デザイン書体は百花繚乱と言えるほどたくさんの種類のフォントが選べますが、DTPの初期からデザインを仕事としている我々にとっては、その頃からよく使わせていただいていた思い入れの深いフォントでもあり、数多くの使用事例もあることからぜひご紹介したいと考えました。
 
綜藝体W7
綜藝体W7書体見本
ゴシック体に正方な形と曲がりやハネの先端部分をカーブさせることで近未来的なデザインに仕上げた書体です。サイバーな感覚やミリタリーな雰囲気も感じさせる文字の形は、作品の世界観を表現する際にも大きな効果を発揮します。
・「綜藝体」の詳細はこちら

 
―2021年リリースの「玉刻華宋」と1998年リリースの「金文体」という新旧のダイナフォントを歴史書体として取り上げていただき、ありがとうございます。フォントかるたユーザーの皆さまにもぜひその2書体の札を見比べていただき、ダイナフォントの書体の歴史も感じていただけたら嬉しいです。また数あるデザイン書体の中で「綜藝体」を以前からご使用いただけていたのこと、恐縮です。フォントかるた制作チーム様のお墨付きフォントということで、今後、更に様々な場面での活躍が期待できそうです!「フォントかるた 2nd edition」の新発売から気が早い質問となってしまいますが、「フォントかるた 2nd edition」発売以降の展望を教えていただけますか。
すでに遊んでいただいた方から「このフォントが入ってない!」などのご意見も頂戴しております。あまたあるフォントの中から48書体だけを選ぶのは、我々にとっても苦しいことでした。今後も拡張パックを追加して、ベーシックな明朝体やゴシック体の書体から、見て選んで楽しいデザイン書体まで、さらに豊かなフォントの世界をご紹介できたら、と考えております。また現在わたしたちが考えているのが、フォントかるたを使った新しい遊び方の提案です。フォントを使うためには、フォント名やその書体のルーツを知ること、あるいは文字の形を厳密に見分けられる目だけが大事なわけではありません。そのフォントから受ける印象や、どういったときに使うと効果的なのか?を考えることで、より適切なフォントを選ぶことができるのではないでしょうか。そんなことを考えながら、現在試作を行っています。まだ詳細はお知らせできませんが、2024年秋をめどに開発中ですので、ぜひ我々のSNSやWebサイトでのお知らせをお楽しみにお待ちください。

―今後の更なる展開もとても楽しみになりました。本日は貴重なお話をお聞かせいただき、誠にありがとうございました。

 
フォントかるた 2nd edition
ⓒ 2022 Font karuta LLC
 
 
フォントかるた 2nd edition
○収録内容:読み札48枚、取り札48枚、説明書
○推奨プレイ人数:3~10人 ○推奨年齢:10歳以上
○所要時間:15~30分
○販売価格:3,300円(税込)
○公式サイト:https://www.fontkaruta.com/fontkaruta
○公式SNS:X / Instagram / Facebook / Youtube / note 

 
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フォントかるた合同会社/フォントかるた制作チーム
フォントかるた合同会社/フォントかるた制作チーム
2017年に結成したフリーランスのグラフィックデザイナー4人のユニット。『フォントかるた』を通じてフォントの魅力を広く知ってもらうべく、イベント出展、セミナーやフォントかるた大会の主催、出版、テレビ出演、グッズ制作などの活動を行う。2020年初の著書「『愛のあるユニークで豊かな書体。』フォントかるたのフォント読本」株式会社エムディエヌコーポレーションより発売。「迷ったときは野生の勘で、ワクワクする方向へ進め!」が合言葉。
○公式サイト:https://www.fontkaruta.com ○公式ブログ:https://note.com/font_karuta
○公式X:https://twitter.com/font_karuta

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