ダイナフォントストーリー

カテゴリー:連載コラム「ぬらくら」
2023/12/25

ぬらくら第153回「2023年」

一月早々からリフォーム業者の選定や不要家財の処分、処分した家具の代替え調達、工事期間中の仮住まい探しに引越し業者選び、ネットワークの変更、四ヶ月足らずの間の二度の引越しなどなど、短期間にやらねばならないことが山で目まぐるしく過ぎた今年の上半期。

フルリフォームが終わった住まいに戻ったのは六月中旬。
自らの体力を盲信していたか、リフォーム疲れからか、五月初めに帯状疱疹発症、今も偶に疱疹痕がむず痒くなることがある。その後も悪性の夏風邪でさしてあるとは言えない蓄えから四キログラムも消耗してしまった体重が、残暑が薄れ始めた九月末に体調と共に戻ってくる。

その余勢を駆って十月初め丸亀市猪熊源一郎現代美術館に出かけたが入館叶わず。
企画展の準備で一週間の臨時休館にぶつかってしまった。事前に調べた公式サイトの情報はなんだったのか。

すごすごとJR予讃線で高松へ移動。
高松に滞在した三日間は地元に溶け込んで作陶を続ける50年来の旧友夫妻から厚い歓待を受ける。彼が案内してくれたイサム・ノグチ庭園美術館の丘から眺めた、あの源平合戦の舞台となった屋島が、四国本島に接していることを初めて知った。

今年は一気に活発になった感の強い文字関連のセミナーや展示会。
松本タイポグラフィ研究会のセミナー「Fontasy からえほんごへ (* 1)」講師は羽良多平吉さん、Monotype 社の “Type&”、市ヶ谷の杜 本と活字館の「活字の種を作った人々 (* 2/2024年6月2日まで)」、東京ミッドタウン 21_21 DESIGN SIGHT の「もじ イメージ Graphic 展 (* 3/2024年3月10日まで)」などなど、他にも追いきれない催し多数。

日本電子出版協会や文字情報技術促進協議会など、首を突っ込んでいる団体の会合も対面が増えてきた。リモートでの会議は手軽で気軽、言うことはないが対面で集まることも捨てがたい。

以上、ぬくら子の2023年だが、この四年間ですっかりカビカビ臭くなってしまった我がパスポート、来年こそはこれを使う機会を作りたい。


* 1) Fontasy からえほんごへ
https://matsumototypography.jpn.org/seminar/10th/

* 2 活字の種を作った人々
https://ichigaya-letterpress.jp/gallery/000345.html

* 3 もじ イメージ Graphic 展
https://www.2121designsight.jp/program/graphic/

タイトルの「ぬらくら」ですが、「ぬらりくらり」続けていこうと思いつけました。
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mk88氏

PROFILE●1942年東京都生まれ。1966年桑沢デザイン研究所ビジュアルデザイン科卒。設備機器メーカー、新聞社、広告会社を経て、総合印刷会社にてDTP黎明期の多言語処理・印刷ワークフローの構築に参加。1998年よりダイナコムウェア株式会社に勤務。Web印刷サービス・デジタルドキュメント管理ツール・電子書籍用フォント開発・フォントライセンスの営業・中国文字コード規格GB18030の国内普及窓口等を歴任。現在はコンサルタントとして辣腕を振るう。
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