ダイナフォントの道は一日にしてならず! ダイナフォント30周年おめでとう!!
文字アカデミー 番外編3 ダイナフォント30周年記念 Playback DynaFont
ここは文字アカデミー。
多くの文字ッ子が集まり、日々、文字のプロフェッショナルになるべく奮闘している文字の学び舎です。
さて、当アカデミーの講義使用書体としてもお馴染みのダイナフォントが2023年5月になんと、30周年を迎えるとのことです。
また、2023年4月18日に行われた「DynaSmart V2023年4月アップグレード」では、ダイナフォントの新たな代表書体を予感させる新時代の明朝体『金剛明朝体』が収録となっています。
そこで今回の文字アカデミーでは、「本編はどうしたの?」といったツッコミはスルーさせていただき、番外編第3回としてダイナフォントの生誕から2023年までの30年間に及ぶ歴史を紐解いて、ダイナフォント代表書体とともに振り返っていきたいと思います。
ミチル:教授はダイナフォントが2023年5月に30周年を迎えるって知ってましたか?
教授:もちろん知っているとも。現在、ダイナフォントを開発・販売しているダイナコムウェアだが、その前身となるダイナラブ・ジャパン株式会社が設立されたのが1993年5月。私はダイナフォントの繋がりはそのダイナラブ・ジャパン誕生から始まって、この30年間ずっとダイナフォントと歩んできたわけだ。
ミチル:うわぁ、すごいです。30年を人間の年齢で考えてみると30歳と言えますし、そう考えるとダイナフォントって大人ですよね。
教授:そうだね。なんだか我が子の成長を見てきたような気分にもなる。
ミチル:目を細められてますね~。教授のようにダイナフォントが誕生した時から使用されている人はとっても感慨深い話ですよね。
教授:まぁ厳密にいうとダイナラブ・ジャパン株式会社設立の前には、実際に「ダイナフォント」を開発している華康科技開発股份有限公司(DynaLab Inc.)が1987年に台湾台北市で設立されていたり、1990年初頭に初めて「ダイナフォント」を搭載したラップトップ型ワープロが発売されていたりするわけだが。こうしたダイナフォントの誕生からの歴史を紐解いた内容がダイナコムウェア公式サイトにある『ダイナコムウェアの歴史』にも紹介されているので、興味があったら読んでみるのも良いかもしれない。
ミチル:なるほど、確かに文字ッ子としてダイナフォントの歴史はとても興味深いです。後で必ず読んでみます!
教授:では実際に1990年から2023年の現在までに、どんなダイナフォントが発表されてきたのか、代表的な書体を年表にしたので見てみようか。
ミチル:はい、ありがとうございます。
ミチル:こうしてダイナフォントの代表書体を年表にしてもらうと、その歴史の重みが伝わってきます。
教授:そうだね、眺めてみると壮観だね。
ミチル:1990年代の『金文体』や『クラフト墨』って、現在でも色々な場面でお見かけする人気書体だと思うのですが、実は私が生まれる前から存在していたんですね。そう考えるとなんだか不思議です。
教授:うむ。ちなみに私は既に生まれており、大人だったわけだ。
ミチル:は、はい……(30年前の教授ってどんなだったんだろう……? 意外と今の風貌のままだったりして……。)
教授:どうした? 物思いに耽っている顔して。
ミチル:だ、大丈夫です……(そういえば教授って今、おいくつなんだろう……?)。
ミチル:あっ、そうそう。これまた現在でもゲームやTV番組などにたくさん使用されている『ロマン雪』などのロマン風書体や、『てがき魔』などの個性的な手書き風書体のシリーズも2000年代にたくさん発表されていたんですね。
教授:そうだね。この年代でもダイナフォントが得意としているオリジナリティあふれる独創的なデザイン書体がたくさん登場していたわけだ。
教授:ダイナコムウェアは得意なデザイン書体にチカラを入れつつも2010年代には、誰にでも読みやすく配慮したユニバーサルデザイン(UD)の『UDゴシック体』や、デジタルデバイスでの読み心地を追求した『金剛黒体』など、スタンダードな書体も精力的に発表している。
ミチル:なるほど。汎用的な基本書体も充実させていったわけですね。
教授:うむ。テクノロジーの進歩や多様化する社会の中で、日常と切り離せない文字に対するニーズはとても大きい。そして、そのニーズを満たしていくことは文字という文化を扱う業界にとってとても大切なことだ。ダイナコムウェアはそうしたニーズをいち早く汲み取り、新フォントの開発に活かしてきた。そこで老若男女・国籍などを問わずに読みやすい文字であるUD書体や、スマートフォンなどデジタルデバイスの普及により液晶表示での読み心地に配慮した『金剛黒体』を発表していったわけだ。
ミチル:文字は生活上、切り離せない存在ですし、そのような配慮がされたフォントが発表されて、生活に根付いてくれることはとてもありがたいです。
教授:実際に『金剛黒体』はそのデザイン性と機能性で高い評価を受けて、国内外で多数のアワードを受賞しているわけだ。
ミチル:2010年代ではその他にも『古籍糸柳』が古籍書体としてグッドデザイン賞を受賞したり、『甲金文体』がグッドデザイン賞やiFデザイン賞(iF Design Award)を受賞したりしているようですね。
教授:詳しいね。古籍書体や『甲金文体』は、歴史的にも価値のある当時の文字のデジタルフォント化という点でも大変興味深い存在だ。こうしたフォントは、歴史を紐解いて文字文化を現代に伝えることを使命の1つにしているダイナフォントだからこそ生み出せたフォントともいえるだろう。
ミチル:『甲金文体』は古代文字ならではの独特の形も魅力ですが、私的にはかわいらしい象形文字が異体字として使えたりするギミックが本当に面白くてハマっています。そうそう、話は戻りますが、生活に根付いていくといえば、2019年に発表された『欧風花体』も最近、特に、色々とお見かけします。
教授:『欧風花体』が浸透し始めた要因としては2022年4月から「DynaSmart T」にTrueType版が収録されたのも大きいかもしれない。
ミチル:確かにお値段的にも手頃な「DynaSmart T」に収録されたことで、より多くの人に使いやすい環境が生まれますよね。
ミチル:そしていよいよ2020年代ですが、目の前がパァーっと明るくなるような華やかで合字も使用できる革新的で私のお気に入りでもある『金花体』も登場したりして、今もダイナフォントの進化をヒシヒシと感じてしまいます。1990年代に生まれた『金文体』や『クラフト墨』が現在も根付いているように、この『金花体』が30年後にはどのようなカタチで使用され、花開いているのかも気になる所です。
教授:そうだね。当時はもの珍しかったりしたデザインの書体もその後、長い年月を経ていく中で、色々な人の色々なアイデアで使用されることで、やがて普遍的な存在になっていったことがダイナフォントの30年間の中で証明されてきたわけだ。
ミチル:そう考えると本当に奥深い道ですね~。なんだか “ローマの道は一日にしてならず” という諺を思い出しました。
教授: “ダイナフォントの道は一日にしてならず! ” といったところかな。
ミチル:2020年代には前回の講義『呼吸する文字「金剛黒体」だからこそ【バリアバルフォント】で輝きが一層増すのだ!』で解説していただいた『金剛黒体VF』もありますよね。おかげさまでバリアブルフォントの利便性さや可能性など、詳しく知ることができました。
教授:『金剛黒体VF』もダイナコムウェアが市場のニーズを汲み取って開発したバリアブルフォントの書体となる。
ミチル:その『金剛黒体VF』が収録された2022年の11月のアップグレードに続いて、2023年2月に早くも次の新書体が発表されましたよね?
教授:勉強熱心で感心、感心。ダイナフォント30周年という節目の年に、ダイナコムウェアの新たな代表書体を予感させる、書の書きぶりを取り入れつつ柔らかさと硬さの間にある最適なバランスを見出した書体「金剛明朝体」がこの春に登場を予定している。
ミチル:新たな代表書体を予感させると聞いて、なんだか期待値が爆上がりしてきました!
教授:「金剛明朝体」は、ダイナフォント年間ライセンス「DynaSmart V」に収録される予定だ。もちろん上記の年表で紹介した書体も含め、「DynaSmart V」には、全てのダイナフォントが収録されているのでダイナフォントの30年の軌跡を噛み締めるとともに、どんどん使っていって欲しい。
ミチル:はい。了解しました。来るダイナフォント40周年、そしてダイナフォント50周年に向けて、これから先、私も精一杯、ダイナフォントという文字文化の礎になっていきたいと思います。
教授:その心意気、誠に天晴。先ほど紹介した『ダイナコムウェアの歴史』以外に「DynaFontの歴史」もあるので、こちらもあわせてオススメしておこう。
ミチル:ありがとうございます。これからのダイナフォントの道を作る一人として必ず読んでおきます。
教授:ちなみに私のこれからの30年にも是非、期待しておいてくれ!
ミチル:は、はい……(えっと……、30年後の教授ってどんな風になってるんだろう……? 意外と今の風貌のままだったりして……)。オホン、とりあえず最後にこれだけ言わせてください。
教授:なんだね、改まって。
ミチル:ダイナフォント30周年おめでとうございます! 今後とも末永くよろしくお願いします。
文字アカデミー
文字の文化について深く学ぶことができるアカデミー。多くの文字ッ子が集まり、日々、文字のプロフェッショナルになるべく奮闘している。
ミチル
文字アカデミーに入学した女の子。気になった文字用語などをモジバタ教授にドンドン質問していく。DynaSmartシリーズのカタログにも登場しているらしい。
モジバタ教授
文字文化の研究に人生を捧げた文字アカデミーの教授。どことなく風貌がダイナコムウェアの某顧問の人にも似ている気がしないでもない。
○文字アカデミー講義一覧
・文字アカデミー入学案内
・書体とフォントの回
・エレメントの回
・仮想ボディの回
・文字のサイズの回
・ファミリーの回
・テロップの回
・バリアブルフォントの回
・Web to Printの回
・ダイナフォント30周年の回
ダイナフォント30年におよぶ代表的な書体一例
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・DynaSmart V 2023年4月のアップグレードに関する詳細はこちら
「DynaSmart V」は、国内外のアワードを受賞した優れたデザインのフォントや多言語フォントを含むダイナフォント全書体を収録し、印刷物、Webデザイン、映像・動画、デジタルコンテンツ、ゲームといった幅広いコンテンツにダイナフォントを許諾対応した、安心の年間ライセンスです。
・ダイナフォント年間ライセンス「DynaSmart V」詳細はこちら