ダイナフォントストーリー

カテゴリー:連載コラム「ぬらくら」
2022/05/13

ぬらくら第132回「身体浮遊」

それはこんな風に始まった。

(1) 何の前触れもなく後頭部(耳と耳の間)がゾワゾワゾワ~としてくる。
(2) 貧血を起こした時のように、真後ろに引きずり込まれるような感じになる。
(3) 頭の中がグニュグニュと掻き回されながら、意識が遠のいていく。
(4) 気づくと空はドーム状の明るい乳白色で覆われ、地上は見渡す限り赤・青・緑色をした水晶のように透明でキラキラ輝いているものにに覆われている。そこに横になった自分の体が浮いていて、足元を見つめている。
(5) やがて頭の中がジュワジュワっとしてきて、えも言われぬ快感とともぬ覚醒する。

この間、何秒なんだろう、5秒? 10秒? 30秒 2分?
計っていた分けではないので確かなことは分からない。覚醒した時の周囲の様子から思うに、さほど長い時間ではないことはわかる。

この浮遊感が臨死体験というやつなのだろうか?

後頭部のゾワゾワ感とそれに続く真後ろに引きずり込まれるような感じは数日前から始まっていたが、初めのうちはそこで収まっていた。

ゾワゾワ感は意識が遠のく前兆で、今日は朝から数回、浮遊感まで進んでいたが、特に午後はこれが六、七も起きている。

そして、ついにその時が来た。

午後5時15分頃、自宅で気を失いテーブルと椅子の間に崩れこんだ。
意識がなかった時間は側にいた息子によれば一分くらいだったらしい。
地元の総合病院に緊急搬送され、そのまま半月入院。

病院の診断は発作性高度房室ブロックによる失神。
原因は不整脈だったようだ。侮るなかれ、不整脈!

今では左鎖骨下にペースメーカーを隠し持ったプチ・サイボーグだ。

タイトルの「ぬらくら」ですが、「ぬらりくらり」続けていこうと思いつけました。
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ダイナコムウェア コンサルタント
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mk88氏

PROFILE●1942年東京都生まれ。1966年桑沢デザイン研究所ビジュアルデザイン科卒。設備機器メーカー、新聞社、広告会社を経て、総合印刷会社にてDTP黎明期の多言語処理・印刷ワークフローの構築に参加。1998年よりダイナコムウェア株式会社に勤務。Web印刷サービス・デジタルドキュメント管理ツール・電子書籍用フォント開発・フォントライセンスの営業・中国文字コード規格GB18030の国内普及窓口等を歴任。現在はコンサルタントとして辣腕を振るう。
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