時代により大きさがポイントだったりすることを知って感動の余りゴウキュウしました。
文字アカデミー 第4回 文字のサイズ
ここは文字アカデミー。
多くの文字ッ子が集まり、日々、文字のプロフェッショナルになるべく奮闘している文字の学び舎です。
文字に対する理解を深めることで、人間的にも大きく成長を遂げようとしているミチルちゃんが次に学ぶのは、文字の大きさの単位のようです。
それでは本日もミチルちゃんと文字の文化について一緒に学んでいきましょう。
ミチル:教授、今日は文字の大きさについて取り上げていただけるとか。
教授:まず、書体やフォントの世界では、文字の大きさの単位は色々な名前で呼ばれてきたのは知っているかな?
ミチル:文字の大きさの単位についてはこれまで深く考えたこともなく、全く知りませんでしたが、最近よく耳にするあの方にちなんでBigとかSmallでしょうか?
教授:ちょっとビッグボスに引っ張られてしまったかな。野球は関係ないが、「級(きゅう)」だったり、「号(ごう)」だったり、「ポイント」と呼ばれたりしている。
ミチル:そうなんですね。
教授:まずは「号」から解説していこう。
ミチル:ゴー、ゴー!
教授:活版印刷の時代、活字は予め規格化され段階ごとの大きさに分かれており、「号(ごう)」という単位で呼ばれていた。「号」は、初号、一号、二号といった感じで数字が進むほど、その大きさは小さくなっていき、八号まである。初号を4分割した大きさが二号、二号を4分割したのが五号、五号を4分割したのが七号となる。一号を4分割したのが四号で、三号を4分割したのが六号、六号を4分割したのが8号といった感じだ。
ミチル:ちょっとこんがらがりそうです。
教授:あまり数字は得意ではない感じかな?
ミチル:はい……、でも郷に入れば郷に従えの精神で頑張って付いて行きます!
教授:その後、大きさを自由に表現しづらかった活版印刷の時代から写真植字の時代を迎えると、より小さな文字や大きな文字を表現できるようになり、日本独自の単位となるが、大きさの単位を「級(きゅう)」で呼ぶのが一般的になっていった。
ミチル: “急” 展開!
教授:「級」はアルファベットのQとも書くが、QはQuarterの略で、つまり4分の1を意味している。そして1級は㎜換算すると1㎜の4分の1の0.25㎜となる。この「級」という単位は「号」と違って、数が進むほど、文字は大きくなる。
ミチル:その方が覚えやすいので助かります。
教授:文字の大きさの単位ではないが、「級」と一緒に使用される行送りや字間、行間に使われる単位として「歯(は)」がある。「歯」はアルファベットでは「H」と書き、1級同様に1歯も0.25㎜となる。ちなみに「歯」という名前は、写植機の初期の時代、文字の送りを歯車で行なっていたことに由来している。
ミチル:は……、はい……、ハァ(溜息)。
教授:大丈夫か?
ミチル:数字が多く出てきて頭痛により、思わず溜息を吐いてしまいました!
教授:今回、色々な単位を出しているが、文字を組んだりして使用している内にその内、自然と覚えてしまうのであまり心配はしなくても良いだろう。
ミチル:そうですか……、少し安心しました。
教授:さらに「ポイント」という単位もあって、文字の大きさを表す単位の一つとして活版印刷時代から使われていたが、パソコン上で印刷物のデータを制作する「DTP」の時代に1/72inchを1ポイントと定義するようになった。この1ポイントは0.352778㎜に換算できる。
ミチル:なるほど。文字の大きさを、より細かく、自由に表現できるようになったのって、わりと現代とも言えますね。
教授:そこはやはりパソコンの普及が大きく影響していると言える。
ミチル:つまり、そうした技術の進歩が文字の大きさにとってもターニング “ポイント” となったというわけですね!
教授:まだ元気がありそうな返しだから、もう少しだけ話を続けるとしよう。現在では使用されてはいない「号」だが、実は文書作成ソフトウェアなどの標準的な文字サイズである10.5ポイントが五号の大きさに該当している。これはかつての文書の標準的な文字の大きさが五号であることに基づいて設定されているというわけだ。
ミチル:………。
教授:どうした、そんなに肩を震わせて?
ミチル:文字の大きさにも実は色々歴史があったりして、文明の発展とともに変化もしていく中で、それでも先人達の知恵や文化も確かに受け継がれているんだなぁって思ったりしている内に感慨深くなってきて……、なんだか涙が……。
色々と数字が出たり、覚えることが多そうでパニックで涙が出てしまったわけではないですよ。本当に感動の余り、ゴウキュウ(号泣)です!!
教授:そうか……。とりあえず今回はここまでにしておこう。そして次回は書体の太さについて話してみようと思う。
ミチル:今回もありがとうございました。次回は是非、数字少なめでよろしくお願いします!
文字アカデミー
文字の文化について深く学ぶことができるアカデミー。多くの文字ッ子が集まり、日々、文字のプロフェッショナルになるべく奮闘している。
ミチル
文字アカデミーに入学した女の子。気になった文字用語などをモジバタ教授にドンドン質問していく。DynaSmartシリーズのカタログにも登場しているらしい。
モジバタ教授
文字文化の研究に人生を捧げた文字アカデミーの教授。どことなく風貌がダイナコムウェアの某顧問の人にも似ている気がしないでもない。
〇文字アカデミー講義一覧
・文字アカデミー入学案内
・書体とフォントの回
・エレメントの回
・仮想ボディの回
・文字のサイズの回
・ファミリーの回
・テロップの回
・バリアブルフォントの回
・Web to Printの回
・ダイナフォント30周年の回
〇講義に登場した書体
詳細はこちら
詳細はこちら
詳細はこちら
詳細はこちら
映像、ゲーム、Web、印刷等で
ダイナフォント全書体が使える
詳細はこちら
お買い得な価格で
ダイナフォントが使える
詳細はこちら
特別価格で4年間使える
学生のための特別パッケージ
詳細はこちら