ダイナフォントストーリー

カテゴリー:文字アカデミー
2022/01/18

仮想ボディってSFっぽいネーミングにロマンを感じてしまいます。

文字アカデミー 第3回 仮想ボディ

仮想ボディってSFっぽいネーミングにロマンを感じてしまいます。

ここは文字アカデミー。
多くの文字ッ子が集まり、日々、文字のプロフェッショナルになるべく奮闘している文字の学び舎です。
文字沼への道を突き進むミチルちゃんが次に学ぶのは、“仮想ボディ”のようです。
それでは本日もミチルちゃんと文字の文化について学んでいきましょう。

仮想ボディって何だろう
ミチル:教授、早速ですが前回の講義でお聞きした「仮想ボディ」とは、バーチャル空間の肉体のことでしょうか?
教授:そうそう、コンピュータ上のネットワークの中に構築された3次元の仮想空間における解き放たれた肉体の…、って、違う、違う!
ミチル:ノリ突っ込みありがとうございます。なんだ、違うんですね。なんとなく名称がSFっぽくて、流行りのメタバースという言葉にも似た響きを感じました。でも、その「仮想ボディ」と文字がどう繋がっていくのか、思いを巡らすと、すこしふしぎな感覚に陥ります。
教授:「仮想ボディ」というのは書体を設計する時の大きさの基準となる枠を表現した言葉だね。
ミチル:枠なんですか!?
教授:そう、枠だ。それでは「仮想ボディ」について勉強していこうか。
ミチル:今日の講義もなんだか、ワクワクしてきました!

和文フォントの設計

教授:和文フォントは漢字もあり、平仮名もあり、片仮名や欧文などもあって構成されている。また横組みにも縦組みにも対応しなければいけないため、縦横比が1対1となる全角に該当する正方形の枠の中で設計されるのが一般的だ。以前の書体が金属活字で作られていた時代は、実体として金属活字にボディがあったのだが、写植やデジタルフォントには実体がないため、仮想としてのボディが設定されることになり、その枠を「仮想ボディ」と呼んでいるわけだ。
ミチル:そうかー、なるほどそれで「仮想ボディ」という名前なんですね。
教授:ちなみに書体というのは、この「仮想ボディ」の枠いっぱいの大きさで設計されるわけではなく、その内側にもう少し小さく設定された枠の中で設計されている。その文字の形の部分を「字面」と呼び、字面の枠を「字面枠」、または「レターフェイス」と呼んだりもしている。そしてこの「仮想ボディ」があることで、文字同士をそのまま並べて組む、いわゆる「ベタ組み」したときに文字と文字がくっつかなくてすんだりもする。
ミチル:実在はしていない。けれど、無いと困る存在が「仮想ボディ」なんですね。

欧文フォントの設計

教授:和文には縦組みと横組みがあるが、欧文は横組みだけの言語体系なのは知っているだろう。
ミチル:あまり意識していませんでしたが、確かにそうですね。
教授:横組みであり文字によって幅も異なる欧文フォントは和文フォントの設計とは異なり、正方形の仮想ボディがない。そして、アセンダーライン、キャップラインアセンダーライン、キャップライン、ミーンライン、ベースライン、ディセンダーラインの5本の水平な仮想のラインとxハイトを基本に設計されている。
専門用語となるが上記の通りとなる。ちなみに、サンセリフ書体に多いがアセンダーラインとキャップラインが同じ書体もあるので注意しよう。

ミチル:そうなんですね。こうして説明を聞いてみると和文フォントとはかなりの違いを感じました。
教授:そう。だから和文と欧文を組み合わせて使用する場合などは、それぞれの特徴も意識して使っていくのが良いだろう。
ミチル:承知しました。これからは和文と欧文の違いも意識しつつ使用していこうと思います。
教授:うむ。少し気を付けるだけで文字は美しく整えることもできる。例えば、文字同士がくっつかずにすむことも、逆に文字同士が空き過ぎて気になる時も、実体がないことにより、仮想の枠を飛び越えて文字を詰めたり重ねたり、と自由にできるわけだ。そこには見えないが確かに「仮想ボディ」の存在を感じることだろう。
ミチル:おぉー、文字が空間を超えるって感じで、とてもロマンを感じます!


ベタ組みと詰め組み



教授:それでは今回はここまでにしておこう。次回は文字の大きさについて取り上げることにしよう。
ミチル:次回もよろしくお願いします!  
 
文字アカデミー校章
文字アカデミー
文字の文化について深く学ぶことができるアカデミー。多くの文字ッ子が集まり、日々、文字のプロフェッショナルになるべく奮闘している。


ミチル
ミチル
文字アカデミーに入学した女の子。気になった文字用語などをモジバタ教授にドンドン質問していく。DynaSmartシリーズのカタログにも登場しているらしい。


モジバタ教授
モジバタ教授
文字文化の研究に人生を捧げた文字アカデミーの教授。どことなく風貌がダイナコムウェアの某顧問の人にも似ている気がしないでもない。


〇文字アカデミー講義一覧
・文字アカデミー入学案内
・書体とフォントの回
・エレメントの回
・仮想ボディの回
・文字のサイズの回
・ファミリーの回
・テロップの回
・バリアブルフォントの回
・Web to Printの回
・ダイナフォント30周年の回

〇講義に登場した書体


DF綜藝体W9詳細はこちら


DFレンガ体W9詳細はこちら


 DF華康明朝体W3詳細はこちら


 青花ゴシック体W3詳細はこちら


 青花ゴシック体W1詳細はこちら


 青花ゴシック体W7詳細はこちら

ゴシック体・明朝体から、多種多様なデザインの書体まで揃ったダイナフォント
ゴシック体・明朝体から、多種多様なデザインの書体まで揃ったダイナフォント


 
ダイナフォントは上記で説明したゴシック体や明朝体などベーシックなフォントから、全ての人に配慮して誰にでも読みやすいUDフォント(ユニバーサルデザインフォント)、楷書体・行書体・隷書体などの毛筆系書体、手書きの温もりを感じさせる手書き風書体、テロップでの使用に適したテロップ書体、そして個性に溢れたバラエティ豊かなデザイン書体まで、映像やゲームで使用する際にはもちろん、印刷物、Webデザインなどにも適したフォントを多数取り揃えたフォントシリーズです。


 
〇書体を思う存分使ってみたい! 皆さんの使用用途にあわせて、選べる、ダイナフォント製品
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