連載コラム
2011年12月09日

ぬらくら 第15回 年賀状

毎年この時期になると心急くことがあります。
そう年賀状書きです。
差し出す年賀状の枚数が100枚を超えるようになってからというもの、年賀状書きがパソコンとプリンターに頼ったものになってしまいました。
年賀状は宛名も年賀の挨拶も、使う書体はゴシック体よりも、明朝体よりも、筆で書かれた文字が好いなと思うのはぬらくら子だけでしょうか。
哀しいかな日頃、筆どころかペンすらも持たなくなって久しい身では筆で書かれた年賀状を望んでもハードルが高すぎて現実的ではありません。
「書」と書いて「しょ」と読む世界があります。
なんとなく「書」にはそれを書いた人の品格が現れていると思っていました。
そう思う根拠は何でしょう? 
何故そう思うのでしょう?
「書」が手で書かれているというところに理由の一端がありそうです。
世に三筆(空海、嵯峨天皇、橘逸勢)とか三蹟(小野道風、藤原佐理、藤原行成) と言われる人達がいます。
この人達の残した「書」を見て、それぞれの人となりを想像し、評したその後の研究者達の仕事が、「書」を評する世界に大きな影響を残しているのではないでしょうか。
そもそも漢字は表意文字、漢字一文字一文字に意味があるわけですから、「書」には抽象画に通ずる思いがありはしないでしょうか。
抽象画を見てそれを描いた画家の人格だの品性だのを論じることは希なことです。
そう思うと「書」とそれを書いた人の品格を論じることには意味が無いという 現代書家がいることにも頷けます。
ありがたいことに今ではパソコン用のフォントとして筆で書かれた書体がたくさん用意されています。
筆を持てない者の見栄からではあっても、ぬらくら子は年賀状を筆の文字で出したいと思いながら購入したばかりの官製年賀状の束を眺めています。

タイトルの「ぬらくら」ですが、「ぬらりくらり」続けていこうと思いつけました。
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  著者 Information

著者
ダイナコムウェア コンサルタント
mk88氏

PROFILE●1942年東京都生まれ。
1966年桑沢デザイン研究所ビジュアルデザイン科卒。
設備機器メーカー、新聞社、広告会社を経て、
総合印刷会社にてDTP黎明期の多言語処理・印刷ワークフローの構築に参加。
1998年よりダイナコムウェア株式会社に勤務。
Web印刷サービス・デジタルドキュメント管理ツール・電子書籍用フォント開発・
フォントライセンスの営業・中国文字コード規格GB18030の国内普及窓口等を歴任。
現在はコンサルタントとして辣腕を振るう。
Blog:mk88の独り言

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