連載コラム
2011年11月01日

ぬらくら 第14回 チャンパ・トン

むかしむかし、タイにチャンパ・トンというそれはそれは美しいお姫様がいました。
お姫様が泣いたときにその涙が金色の花びらに変わったので、それからはその美しい花の名前で呼ばれるようになりました。
王様とお妃様はチャンパ・トン姫を大切に大切に育てました。
ある日のことです。
お姫様の育児係の一人がワニの卵を、暖めた砂の箱に入れてお姫様にプレゼントしました。
お姫様は卵からかえったワニを宮殿の湖で育てていましたが、大きくなると人食いワニになってしまいました。
宮殿の人達はお姫様のワニをたいそう恐れ、ワニを育てたお姫様まで憎むようになってしまいました。
ある晩のことです。
宮殿の護衛の一人が、怪物になってしまった人食いワニを宮殿の湖から川の中へと放してしまいました。
巨大な怪物となった人食いワニは、川で魚を捕る村人達を食べただけではなく、岸に上がって村人達を捕まえたために、村は怖ろしい日々が続くようになってしまいました。
王様は人食いワニを退治するよう猟師達に命じましたが、猟師達は逆にワニに食べられてしまいました。
村人達は、村の生活に怪物をもたらした張本人を追放して欲しいと王様に頼みました。
王様は自分の娘、チャンパ・トン姫をどこか遠いところに追放しなければなりませんでした。
そしてチャンパ・トン姫と彼女の育児係アン・ミオはとうとう宮殿から追放されてしまいました。
父王から追放されてすっかり気が動転してしまったチャンパ・トン姫は身を投げてしまおうと心に決め、本当に川に身を投げてしまいました。
人食いワニが川の中で人間の匂いをかぎつけ、チャンパ・トン姫を食べようと近づいてきました。
その時、神様達はチャンパ・トン姫を哀れに思い、周りが鋭いトゲで守られた大きな蓮の葉の上にお姫様を落としました。
お姫様を食べようとした人食いワニはノドに鋭いトゲを刺して死んでしまったので、チャンパ・トン姫は無事にそこから逃げることができました。
それからはチャンパ・トン姫と育児係のアン・ミオは宮殿に戻って、いつまでも幸せに暮らしました。(タイのお伽噺より)

タイトルの「ぬらくら」ですが、「ぬらりくらり」続けていこうと思いつけました。
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  著者 Information

著者
ダイナコムウェア コンサルタント
mk88氏

PROFILE●1942年東京都生まれ。
1966年桑沢デザイン研究所ビジュアルデザイン科卒。
設備機器メーカー、新聞社、広告会社を経て、
総合印刷会社にてDTP黎明期の多言語処理・印刷ワークフローの構築に参加。
1998年よりダイナコムウェア株式会社に勤務。
Web印刷サービス・デジタルドキュメント管理ツール・電子書籍用フォント開発・
フォントライセンスの営業・中国文字コード規格GB18030の国内普及窓口等を歴任。
現在はコンサルタントとして辣腕を振るう。
Blog:mk88の独り言

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