PICK UP 書体
2020年11月04日

DynaFont PICK UP書体-金剛黒体コンデンス

4種類の横幅×6ウェイトのコンデンス書体「金剛黒体コンデンス」

狭くてもニャンとかなる「金剛黒体コンデンス」

狭くてもニャンとかなる

スリムな書体でピッタリ収まりたいニャ~!
限られたスペースに全ての情報を配置したい場合、どのようにすれば良いのでしょうか? その答えの1つとして、街中の道路標識、警告サイン、食品表示、お店の看板、紙パック、デジタルサイネージ、雑誌の表紙などの文字を通常よりもスリムにして対応するケースがあります。
こうしたスリム化した文字の中には単にグラフィックソフトなどを使って書体に長体をかけて対応している場合もありますが、横幅の狭いコンデンス書体として開発された書体を使用することで、より美しく文字を配置できることを皆さんはご存知だったでしょうか? コンデンス書体は限られたスペースに対応するための機能的な側面が強い書体ではありますが、あえてコンデンス書体を使用することで、上品でオリジナリティのあるデザインに仕上げるデザイナーも少なくありません。
こうしたことからコンデンス書体は、スペースに限りがある場合に有効な機能的な側面に加え、美しさも備えている書体といえるでしょう。 今回のフォントストーリーでは、金剛黒体コンデンスの開発過程で起こった数々の困難を交えてお届けします。
それでは皆さんも、こちらのかわいらしい猫と一緒に、狭い幅にぴったり収まる文字の世界を覗いていきましょう。

 

ソフトを使って長体にするのはどうニャンだ!?

グラフィックソフトを使用して文字を変形させて幅を縮めて調整できる時代に、なぜコンデンス書体が必要とされるのでしょうか。
実際にグラフィックソフトを使って、長体をかけた場合、一体どのような結果が出るのか見てみましょう。

狭くてもニャンとかなる「金剛黒体コンデンス」

こうしてグラフィックソフトで長体をかけた場合とコンデンス書体を比較してみると、違いは一目瞭然です。
グラフィックソフトの場合、単に文字を長体にしただけなので横線と縦線の太さがアンバランスになってしまいました。これはストロークの形が変形して正しい位置からずれてしまったことで全体の構造が歪んだりバランスを失ったりすることが原因で起きる事象です。また、曲線に関しても、本来の滑らかさが失われてしまい、句点や小文字のiのストロークといった正円に設計した方が良い場合においても楕円形になってしまう問題も起こってしまいます。
こうした問題点からも、美しい長体が簡単に作れるものではないことが分かります。 それでは「金剛黒体コンデンス」は、何故、美しい長体の書体としてデザインすることができたのでしょうか。
そこには「金剛黒体コンデンス」を如何に美しい長体の書体としてデザインするかに心血を注いだ、ダイナコムウェアのフォントデザインチームの技術と情熱、そして書体デザイナーとしての強いプライドがあったのでした。


コンデンス書体はフォントを単に圧縮しているだけじゃニャイ!
コンデンス書体は単に文字を圧縮しただけではなく、芸術的な面もあり独立した書体であり、書体としての読み心地や文字の美しさ、視認性まで全てが求められます。
ダイナコムウェアのフォントデザインチームは、金剛黒体をコンデンス書体にする際、試行錯誤を繰り返し、調整を重ねる中でようやくコンデンス書体としての書体の重心や構造の比率などの基準を満たすことができました。
金剛黒体コンデンスは縦線と横線の比率を設定し直し、視覚的なバランスを強化することで線の太さが均一というゴシック体の特長をそのまま残しています。また、金剛黒体の特長である字面の風通しの良さは、ふところの広いUDフォントと比べて長体をかけた場合、どうしても文字の内側の空間が少なくなってしまうという懸念点もありました。
そこでフォントデザインチームは、何度も調整を繰り返し、金剛黒体の特徴を残しつつも長体にした際に変形しすぎないことに加えて文字の内側に余白をしっかりと確保することで、視覚的な美しさと視認性を損なわせないため長体率を75%までとして、4種類の横幅と6ウェイトの計24書体の金剛黒体のコンデンス書体を一通り制作しました。
更にフォントデザインチームは、自分達の目で1文字ずつ入念に文字をチェックしていきました。
例えば、カーブのついた転折部分には横方向に圧縮することでカーブがきつくなってしまうので柔らかなカーブになるように手作業で調整し、画数の多い文字は状況に合わせて設定を変更したり、場合によっては全体の構造が歪んでしまったり、文字がぼやけることがないようにストロークを繋げたりしました。また、ウェイトが太くなると圧縮率を上げた時に線がくっついて見えてしまうので、部分的にストロークを細く調整するなど、こうした作業に膨大な時間をかけました。
こうした気の遠くなるような作業している間、書体デザイナー達はどのような心境だったのでしょうか。
当時の心境について質問してみたところ、
「あまりにも大変で、自分もコンデンス書体みたいに押しつぶされそうになりましたね…」とコメントしてくれました。

 

金剛黒体コンデンスの特長


狭くてもニャンとかなる「金剛黒体コンデンス」漢字の特長

狭くてもニャンとかなる「金剛黒体コンデンス」かなと記号の特長
 

▼金剛黒体コンデンス 書体見本

狭くてもニャンとかなる「金剛黒体コンデンス」かなと記号の特長
 

おすすめの活用方法

狭くてもニャンとかなる「金剛黒体コンデンス」活用方法



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金剛黒体C90 Ultralight金剛黒体C90 Thin金剛黒体C90 Light金剛黒体C90 Regular金剛黒体C90 Medium金剛黒体C90 Semibold
金剛黒体C85 Ultralight金剛黒体C85 Thin金剛黒体C85 Light金剛黒体C85 Regular金剛黒体C85 Medium金剛黒体C85 Semibold
金剛黒体C80 Ultralight金剛黒体C80 Thin金剛黒体C80 Light金剛黒体C80 Regular金剛黒体C80 Medium金剛黒体C80 Semibold
金剛黒体C75 Ultralight金剛黒体C75 Thin金剛黒体C75 Light金剛黒体C75 Regular金剛黒体C75 Medium金剛黒体C75 Semibold



※金剛黒体コンデンスは、ダイナフォント年間ライセンス「DynaSmart」シリーズに収録されています。
・4種類の横幅と6ウェイトで最適なサイズにFitする「金剛黒体コンデンス」を「DynaSmart V」にて10月19日に提供開始
・金剛黒体特設サイト

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