連載コラム
2011年04月08日

ぬらくら 第8回 開きと起こし(2)

前号の最後に簡単なクイズをお出しして、「以下次号に続く」としたために、読者から『これが答えではないでしょうか?』とメールを頂戴してしまいました。
回答をお寄せくださったFさん、ありがとうございました。
正解はこの号の最後にありますが、Fさんがお寄せくださった回答と同様の内容です。
(以下前号から続く)
閑話休題。
地方自治体の広報誌「○○○市だより」とか「広報○○」が元気です。
社団法人日本広報協会が毎年全国規模で実施している「全国広報コンクール」も盛況です。
そんな地方自治体広報誌はタブロイド判、小型の新聞形式が多いようです。
我が自宅にも県と市の広報誌が新聞折り込み広告と一緒に配付されて来ます。
折り込み広告に混じっているのでウッカリ捨てないように気をつけていますが、分厚い折り込み広告の束から広報誌を探し出すのは面倒でなことです。
先日、仕事柄、関東近辺の複数の自治体の広報誌を見る機会がありました。
これらの自治体広報誌を見て違和感を覚えました。
それは、右開きなのに掲載されている記事の大半が横書きだと言うことです。
それならば左開きにすればいいと思うのですが、何故このような紙面造り なのでしょう。
しばらく紙面を眺めていて次の二点に気づきました。
1.記事の大半が読み物ではなく告知記事である。
2.紙面構成が松花堂弁当のようで囲み記事が多い。
告知記事には日時が記載されることが多いので、それらを判別しやすいアラビア数字(算用数字)で記載するために横組みを多用しているのかもしれません。
紙面構成が松花堂弁当のように見えるのは、それぞれの記事を罫で囲って独立性を強調したためのようです。
広報誌をできる限り多くの住民に読んでもらおう、という目標の下、見やすく読みやすい紙面構成を追求した結果なのでしょう。
しかし記事毎に横書きを採用し、松花堂弁当のように囲み記事を詰め込んだ紙面構成は対症療法ではないでしょうか。
本文に横書きを採用したのなら左開きにしてこそ、読みやすい紙面構成を追求できると思うのです。
皆さんは自治体広報誌をどのようにご覧になっているのでしょう。
右開き・左開きに似た言葉に右起こし・左起こしというのがあります。
章(節)が変わるときに、直前の章(節)が頁のどこで終わっていても、奇数頁から始める場合を左起こし(横組みなら右起こし)、偶数頁から始める場合を右起こし(横組みなら左起こし)といいます。
編集用語の「ひらき」と「おこし」ですが、動作のイメージが似ているので紛らわしいですね。
話は最初の電子書籍に戻ります。
画面に一頁しか表示しない電子書籍でも、表示画面の上に当てた指先で頁を繰る動作をすると、画面内で頁がめくられるアニメーションが表示されます。
電子書籍にも「右開き・左開き」の概念は踏襲されているようですね。
前号の扁額ですが、これは横書きではなく一行に一文字を書いた縦書きです。 

タイトルの「ぬらくら」ですが、「ぬらりくらり」続けていこうと思いつけました。
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  著者 Information

著者
ダイナコムウェア コンサルタント
mk88氏

PROFILE●1942年東京都生まれ。
1966年桑沢デザイン研究所ビジュアルデザイン科卒。
設備機器メーカー、新聞社、広告会社を経て、
総合印刷会社にてDTP黎明期の多言語処理・印刷ワークフローの構築に参加。
1998年よりダイナコムウェア株式会社に勤務。
Web印刷サービス・デジタルドキュメント管理ツール・電子書籍用フォント開発・
フォントライセンスの営業・中国文字コード規格GB18030の国内普及窓口等を歴任。
現在はコンサルタントとして辣腕を振るう。
Blog:mk88の独り言

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