連載コラム
2011年02月28日

ぬらくら 第7回 開きと起こし(1)

電子書籍の話題が賑やかです。
何年か前にもテレビや雑誌、新聞紙上を賑わしたことがありました。
その時は自分でもハードウエアを用意して何冊かの電子書籍を読んでみました。
読むときの文字の大きさを拡大縮小できる。
電源を入れれば直ぐに前回読んでいたページを表示してくれる。 便利だなぁって思いました。
読み方が浅かったのか、電子書籍だったからかは分かりませんが、一冊を読み切るのに時間がかからず、読み終わった後も余韻のようなものが残っていなかったのは何故でしょう。
それ以後、ぬらくら子は未だに従来型の紙で造られた本を読んでいます。
本には縦書き(組み)と横書き(組み)があるのは皆さんがご存じの通りです。
それでは右開き・左開きはどうでしょう、何のことかご存じですか。
縦書きの本を読むときは頁を右に開きながら、横書きの場合は頁を左に開きながら読み進めていきます。
ここで言っている右に開く、左に開くがすなわち右開き・左開きです。
何事にも例外はつきものですが、一般的には右開きの本は縦書きで、左開きの本は横書きになっています。
縦書き・右開きで作られている本には文芸誌、新聞、漫画などがあります。
横書き・左開きの本にどのようなものがあるのか直ぐには思いつかなかったので、近所の文教堂書店に行って見てみました。
平積みの本、書架にある本を適当に手にとって見たのですが殆どの書籍・雑誌が縦書き・右開きです。
直ぐに見つかると思った横書き・左開きの本を探して書架の間をウロウロしてしまいました。
書架の間を奥まで進んで見つけたのが旅行ガイドブック、各種資格試験の参考書、音楽関連の雑誌、パソコンの参考書などです。 これらが横書き・左開きでした。
それから読み物ではありませんが時刻表や英和/和英辞典も横書き・左開きですね。 このように並べてみると、外国語や数学、科学、音楽、つまり横書きの言語や数式、楽譜を含む本は横書き・左開き、それ以外の本が縦書き・右開きと言えるようです。
本文を読み進めていく方向と頁を開いて行く方向には密接な関連があるようです。
違和感なく本を読み進めていけるのは、本文を読む方向と頁を繰る方向が合っているからではないでしょうか。
本文が縦書きで左開きの本を読むとどうなるのでしょう。
これでは頁を読み進んで行く方向と頁を進めて行く方向とが逆になります。
きっと違和感があって読みにくさを覚えることでしょう。
横書き・右開きの場合も、同様に不自然さを感じることになると思います。
以下の二例は上記の例外です。
毎年、東京ビッグサイトで開催されている「東京国際ブックフェア」の会場でアラビア語の本を見たことがあります。
アラビア語は横書きですがラテン系の言語とは異なり右から左に書き進めて行くので、横書きでも右開きになっていました。
モンゴル文字で表記されるモンゴル語は、世界でも珍しい左から右へと行を書き進める縦書き(左縦書き)を採用しているケースがあるようです。
この場合はきっと縦書き・左開きの本になっているのでしょうが、あいにく現物を見たことがありません。
寺社に飾られている扁額の中には横書きなのに右から書かれているものがあります。
習字の作品にも同じように書かれた作品があります。
これは何故でしょうか?
閑話休題。
次号へつづく・・・・・

タイトルの「ぬらくら」ですが、「ぬらりくらり」続けていこうと思いつけました。
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  著者 Information

著者
ダイナコムウェア コンサルタント
mk88氏

PROFILE●1942年東京都生まれ。
1966年桑沢デザイン研究所ビジュアルデザイン科卒。
設備機器メーカー、新聞社、広告会社を経て、
総合印刷会社にてDTP黎明期の多言語処理・印刷ワークフローの構築に参加。
1998年よりダイナコムウェア株式会社に勤務。
Web印刷サービス・デジタルドキュメント管理ツール・電子書籍用フォント開発・
フォントライセンスの営業・中国文字コード規格GB18030の国内普及窓口等を歴任。
現在はコンサルタントとして辣腕を振るう。
Blog:mk88の独り言

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