連載コラム
2019年11月11日

ぬらくら第103回 「RWC 2019」

京王線新宿駅の切符売場周辺では贔屓チームのユニホームに、おそろいのタオルを首に巻いた人達があちらに一かたまりこちらに一かたまり、何時もの駅前とは違った、テンションの高い空気が流れています。
遠目からも大きな体つきの一団は外国から来た人達の一行でしょう、手にしたビールの缶で既に赤ら顔、大きな話し声でもそれと分かります。

京王線のホームに下りるとここも人で埋まっています。
ホームを埋めている人達を呑み込んで次々発車する電車、この日は各駅停車以外の電車も飛田給駅に臨時停車するそうです。

乗り込んだギュウ詰めの車内の、通勤電車のそれとは違う華やいだ雰囲気は、周囲の乗客が身につけた鮮やかな色のユニホームや首に巻いた応援タオルのせいでしょう。

通常なら飛田給駅から十分足らずの距離を、途中に配置された誘導員の指示に従って二十分ほど歩いて到着したのは東京スタジアムです。

駅からスタジアムまでの車道の両側の歩道はゆっくりと流れる人の川のようで、人波から頭一つ飛び出して進む塊は外国人のグループです。

この日はラグビーワールドカップ2019(RWC 2019)の開会式と開幕戦の《日本対ロシア》戦の日、ラグビープレーヤーとして高校・大学を過ごしてきた友人に誘われて東京スタジアムにやって来ました。

開会式と開幕戦については既に沢山のレポートがあるのでここでは触れませんが、当日会場で発表された観客数は45,745人だったそうです。

野球やサッカー観戦は対戦するチームを応援する席がはっきり分かれていますが、ラグビー観戦にはそうしたことがないようです。
試合の進行と共にあちらのチームが押し込むと目の前で歓声が上がり、こちらのチームが走ると後ろの席で『イケ~!』の大合唱が起きています。観戦席はそれぞれのチームを応援する人たちがゴチャ混ぜで座っています。

日本の代表チームもゴチャ混ぜチームです。
代表選手31人のうち、選出基準を満たした出身国の異なる外国人選手が15人います。
他国の代表チームも似たりよったりの実状だそうです。日本の代表チームが『外国人うんぬん』で話題になることが多いのは、該当する選手が日本人選手の中に入ると見た目の違いで目立つからでしょう。

何れにせよ、ラグビーは観戦の仕方といい、代表選手の出身国といい、多様性の上に成り立っているスポーツと言えるのではないでしょうか。

肉弾戦を堪能した開幕戦でしたが、試合中の大声援『ニッポン(手拍子で)チャチャチャ』には非常な違和感と嫌悪感を感じてしまいました。そこに、激しい肉体の接触を伴うラグビーというスポーツの応援に相応しくない間の抜けた空気を感じてしまったからです。

特に、得点を狙うプレースキック時、選手がゴールに集中している最中のこの声援には泣きたくなりました。
また、会場を盛り上げるウェーブはグラウンドに集中している観戦者には迷惑なだけ、ゲーム中ではなく休憩時間にやって欲しかった。

開幕戦以降の日本代表の戦い振りは、一戦一戦ハラハラ・ドキドキの連続でした。
結果だけを見ればプールAでの戦績は向かうところ敵無しで、代表が掲げた目標のベスト8入りを果たして見事です。
後は何勝して、何処まで上って行くのか静かに見守ります。

俄かラグビーファンの小さな呟きでした。

タイトルの「ぬらくら」ですが、「ぬらりくらり」続けていこうと思いつけました。
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ダイナコムウェア コンサルタント
ダイナコムウェア株式会社
コンサルタント
mk88氏

PROFILE●1942年東京都生まれ。1966年桑沢デザイン研究所ビジュアルデザイン科卒。設備機器メーカー、新聞社、広告会社を経て、総合印刷会社にてDTP黎明期の多言語処理・印刷ワークフローの構築に参加。1998年よりダイナコムウェア株式会社に勤務。Web印刷サービス・デジタルドキュメント管理ツール・電子書籍用フォント開発・フォントライセンスの営業・中国文字コード規格GB18030の国内普及窓口等を歴任。現在はコンサルタントとして辣腕を振るう。
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