PICK UP 書体
2017年08月16日

DynaFont PICK UP書体-古籍真竹

2014年度グッドデザイン賞受賞書体

古籍真竹
時は流れ、詩で歌われた華やかな世界はもう存在しない
日常に残された詩の旋律が
力強さとしなやかさの間で揺れ動きながら、
竹の姿にその面影を残している。
フォントデザイナーが詩を読むとき、まずは古典的な詩集に書かれている文字の字体にどっぷりと酔いしれます。その文字は気品に満ち、爽やかな風貌はまるで竹のようで、百余りの詩歌の一字一句に趣が満ち溢れており、読むたびにその趣が溢れだします。
古籍真竹は、筆画の転折が竹の節のように強靭で、どのシーンにおいても伝えたい内容を的確に伝えていきます。デザイナーが古籍文字を復刻する際、どのようにインスピレーションを受けたのかその姿を紐解いていきましょう。

 
古籍書体シリーズには数えきれない程多くの物語が詰まっている
古籍書体シリーズには数えきれない程多くの物語が詰まっている
蚤の市で角の欠けた琺瑯の焼き物に惹きつけられ、衝動的に購入したことはありませんか? その理由は長い時間を経過することで焼き物に数えきれない程の物語が蓄積されていったことにより、人を惹きつける程の存在感が生まれたことにあります。
古籍書体シリーズはこうした「レガシー」を現代的にリテイクするという考え方を書体に置き換え、古籍文字をデジタルに取り込んで誕生した新しいタイプの書体シリーズです。古代の職人たちはパソコンが無かった状況下で、どのように驚くほど鮮やかな活字を彫り上げていったのでしょうか、掘り下げていきます。
ダイナコムウェアのデザイナーは各地を隅々まで調査していき、最終的に台北の故宮博物院と街中で出版されていた復刻版の書籍の中から5つの字形が美しいものを選び抜きました。古典で雅な古籍であった「元豊類稿」「唐百家詩選」「天工開物」「四庫全書」「范伯子集」の5冊の古書は5年の歳月をかけて開発され「古籍書体シリーズ」と名付けられました。その書体シリーズは、2014年には歴史的な価値があるとして日本のGood Design Awardを獲得しています。

 
詩に秘められた言葉の裏側から、デザインのヒントが生まれる
古籍五書体の中でも古籍真竹は、細長い字形と、力強くまっすぐな筆遣いで、竹林の中に踏み入ったかのようなイメージをもたらしています。この書体は宋朝の詩人「王安石」が唐朝の数々の詩をまとめた詩集「唐百家詩選」を題材としています。デザイナーがこの書物に触れたとき、古詩における平仄のリズムから古代の詩人や、詩歌に込められた思いを感じ取るとともに、その文字の形に魅了されました。
目に入る一字一句は古書であっても秀麗で力強く、あか抜けてシンプルな字体となっています。時が流れ、紙がどんなに黄ばんでも、古籍真竹が持つ独特の風格は色褪せず、確かな輝きを放っています。何千何百年前に亡き友を偲ぶ思いや、免官されて故郷へ帰る寂しさが記載されており、悠々と述べられています。

 
唐百家詩選
▲唐百家詩選
こういったインスピレーションに触発されたことで、デザイナーは長年に渡り、書の文字を読み取り、分析を重ねていきました。異なる字形の中から似ている筆画を選び出し、古籍真竹の特長を導き出すことで、力強さとしなやかさが同居したような復刻版の文字を作り出しました。

古籍真竹のフォントの特長
中国の古籍「唐百家詩選」の文字をもとに開発された書体が「古籍真竹」です。「唐百家詩選」は、宋朝(960~1127年)の詩人「王安石」が唐朝の数々の詩をまとめた詩集で、細長く、端麗な竹刻文字のような字形が大きな特徴になっていて、古籍真竹の開発においても重要なファクターになっています。


古籍真竹の特長
▼古籍真竹 書体見本
古籍真竹の特長
おすすめの活用方法
古籍真竹は本文と縦組みに適しています。伝統的なスタイルで書籍や雑誌などの編集の際に、ノスタルジックなリズム感を演出することが出来ます。また、伝統工芸品や食品などのパッケージにも適しています。
※古籍真竹は、ダイナフォント年間ライセンス「DynaSmart」シリーズに収録されています。DynaSmartシリーズの詳細はこちら

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