PICK UP 書体
2017年07月26日

DynaFont PICK UP書体-クラフト遊

クラフト遊 イメージ画像

子供心とは、誰しも生まれながらに身についているものだ。
ただ、時間の経過と共に人は世慣れし、
考えが凝り固まって、
いつの間にか消え去っていく
かつては持ち合わせていたはずの子供心を、どうやって取り戻せばいいのだろうか。楽しい気持ちでいること、児童向けの本を読むこと、子供と一緒に遊ぶこと、そのどれもが良い方法だといえます。 今回のダイナフォントストーリーでは子供心を取り戻す「独自の方法」を取り上げたいと思います。
皆さんも一緒に、文字を通じて子供心を忘れない大人になりましょう!独自の方法とは一体どういう方法でしょうか? 早速みてみましょう。
落書き好きな子供は小さな芸術家
落書き好きな子供は小さな芸術家
字を書くことを覚え始めた子供に、母親が一枚の白い大きな紙を渡して自分の名前を書けるか質問すれば、多くの子供は「ママ、できるよ!」と答えることでしょう。書かれた文字を見てみると、解読不可能なほど乱れた文字で書かれており、母親を困らせたり、笑わせてくれたりするでしょう。
こういったやりとりを通して子供は字を書くことを覚えていきます。手指がまだ未発達な子供が書く文字はどれも乱れており、きちんと書かれていない上に大きさも違うことがありますが、何だか愛らしい印象を与えてくれます。クラフト遊のデザインは、こういった可愛らしい子供が書く文字をコンセプにデザインされています。
様々な試みから生まれた、通常の構造を覆す太く、丸みを帯びた字体
1993年にかわいらしい「まるもじ体」をリリースすると、思いがけず各界で好評を博したことから、デザイナーは普段の手書き文字に、元気で躍動感といった要素を加え、今までとは全く異なる構成のフォントを作り上げました。またデザインには平筆とブラックのポスターカラーを使用しました。平筆は刷毛の部分が柔らかいため、顔料を少し多めに加えており、筆画の中央部分まで筆をすすめた時点でやや力を加えることで、筆画を太く丸みを帯びたラインに仕上げています。
筆イメージ
遊び心のある、可愛らしいフォントが誕生!
文字によって大きさがまちまちで、遊び心にあふれ、決まりに縛られないデザインが特長です。まるで字を覚えたての子供が書いたようなクラフト遊は、1994年から1995年という2年もの時間をかけてリリースされた書体です。現在では、若年層向けの広告やチラシ、児童書、ポスター、看板などのタイトルとして使用されています。
クラフト遊 画像
クラフト遊の特長
このフォントは子供らしさに富んでおり、通常の書き方とは異なり、部首や偏、旁などの距離感や小さな点などを用いることで元気で躍動感のある個性を表現しました。内側へ向かって詰まったような構造に、平筆の特性を生かして酒樽のような丸みのある筆画の形状が特長です。

クラフト遊の特長

▼クラフト遊 書体見本
クラフト遊の特長

「クラフト遊」フォントデザイナーへの質問/デザイナーの制作秘話
Q. 文字を校正する上で何がポイントとなりますか?
デザイナー:「字体のラインの長さがポイントになっています。偏、旁、部首などの部分は文字全体の大きさを考慮して長さを比率で表現しなくてはなりませんが、バランスが崩れすぎてもいけません」

Q. 平筆以外で、何か試した道具はありますか?
デザイナー:「以前他のデザイナーと会社の近くの竹林で竹を探しに行ったことがあり、これを削って、羽ペンのように先が尖った形状に仕上げて書いてみたことがあります」

Q. デザインする過程でイライラしたり、思考回路が停止してしまった時にはどうやってリラックスしますか?
デザイナー:「音楽を聴いたり、コンサートに行ったりしますね!」

Q. クラフト遊はDynaFontを代表する書体の一つとなり、模倣するような風潮もありますが、どのようにお考えですか?
デザイナー:「とても光栄です。またこのようなフォントを製作する機会を頂いたことに関してもとても感謝をしています。こんなにも自由奔放な文字を見捨てないでいて下さいましたから(笑)。」

Q. 将来的にどのようなデザインのフォントに挑戦したいですか?
デザイナー:「最近ゴシックをデザインし始めたので、将来的には明朝体などの基本書体に挑戦し、まだ何か変化を付けられないか模索してみたいと思います。」


本文に記載しているロマン雪は、ダイナフォント年間ライセンス「DynaSmart」シリーズに収録されています。DynaSmartシリーズの詳細はこちら

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