メイキングストーリー
2017年07月28日

花鳥風月 / 金文体

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【はじめに】

金文体は、中国戦国時代の中山王方壺に刻まれた金文を元にした重心が高く痩身のストロークが特長的な書体です。書体には優雅で美しい息吹が漂っており、その様子は踊り手が軽やかに舞う様子と重なります。

【デザインの発想】

花鳥風月

金文体のしなやかで美しく寡黙で一心に精神を集中させているような優美な姿は、花がゆっくりと開いていく時のような静寂さを連想させます。その姿を鳥が群れになり飛び立つ時のような所作で表現しました。躍動と静寂のはざまで自然に全ての要素が混ざり合うことで見る者をその世界に引き込んでいきます。

【撮影】

踊り手の手に金色のラインをあしらうことで、目を引くとともに画面に漂う静けさに動きが加わりテンポの良いリズム感が生まれていきます。そして動きと静けさの中で舞い踊る姿は、花開く時のように鳥の群れが自由に飛び立つ時の自然の風景を連想させます。ラストに訪れる白鳥がその翼を天高く広げるように両手を高く挙げる瞬間はこの映像の最も美しいシーンであり、広げたスカートがひらりと落ちていく様子は締めくくりにふさわしい美しさです。

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【制作秘話】

金文体の映像は、自然の中で舞い踊る踊り手が美しい舞を純粋に楽しんでいるというストーリーからスタートしました。そのストーリーに合わせてシンプルで雅やか、そして神秘的といったイメージを損なわないようにモダンダンスで表現しています。女優には手足が長く身長も高い「金文体らしさ」を感じることができ、またモダンダンスの基礎を学んだ経験がある女性をキャスティングしました。

そして今回の撮影のためオーガンジーで仕立てられた衣装をオーダーメイドし、役者の体型にぴったりと合うように作られた衣装は、舞い踊る際の手足の動きはより一層際立たせ、美しいシーンに華を添えています。またスカートの裾に透け感を施し、より幻想的なイメージとしました。
今回の撮影では、ダンス経験のある女優をキャスティングしたため、あえて具体的な指示を出さずに自然な動きをお願いでき、踊り手自身もリラックスした状態で演技に入ることができました。また神秘的な雰囲気を演出するため、監督は現場にスモークを用いて湖面に霧が立ち込めているかのようなおぼろげな美しさを表現しました。

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踊り手の舞を見ていた我々は、その世界にすっかり魅了され、自分達が撮影現場にいることも忘れて、観劇しているかような気分に浸ってしまいました。
自然の美しさを愛でるように踊り手がスカートの裾を翼のように広げ、ゆっくりと舞い落ちるラストシーンは、言葉にできない優美な感動をもたらしてくれることでしょう。


金文体
金文体
カテゴリー:毛筆系書体
書体の太さ:W2/W3/W5
中国戦国時代の“中山王方壺”に鋳込み刻まれた金文を元にして、そのイメージを壊さずに神秘性や独創性を高め現代的な感覚でリデザインされたダイナフォントの代表的な書体です。
金文体

「金文体」について掘り下げた「DynaFont PICK UP書体-金文体」はこちら
本文に記載している金文体は年間ライセンス製品 「DynaSmart」シリーズに収録されています。

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