メイキングストーリー
2017年08月23日

威風凛凛 / 顔楷書

1300x400

【はじめに】

顔楷書は、ストローク全体に楷書特有の趣を感じることができる書体です。揺るがない芯のある出で立ちでありながら終筆部分には柔らかさも感じられ、剛と柔が備わった独自性あふれる楷書体になっています。

【デザインの発想】

威風凛凛

道着を身にまとい、一日の鍛錬が始まろうとしています。
日々繰り返される鍛錬の中で彼女は終始集中を切らすことはありません。鍛錬のたび、自らを正し、精神を落ち着かせながら凛凛とした「気」が満ちていきます。
武術を修練している人にいわせれば、修練だけに心を集中させ、自ら己を超えていくことこそ、自分に、そして武術に対して最高の敬意を払うことになるそうです。

【撮影】

混じりけのない、まっすぐで「芯が強い」書体。
この「芯が強い」とは、男性らしい力強さではなく剛と柔という両極端の要素が絶妙なバランスで交わることで生まれる「端正さ」を表現しています。
その書体の雰囲気から、武術に取り組む人が持ち合わせている何事にもくじけない姿勢に女性らしさも備えた武術の修練を行う前の女性をイメージするに至りました。
武術に挑む凛とした姿に束ねた髪と強い意志を秘めた瞳が映し出されることで、顔楷書のイメージが見事に当てはまり、撮影の準備が整いました。

1300x400

【制作秘話】

キャスティングされた女優は、しなやかな女性らしさが際立っており、イメージしていた女性との違いが懸念材料になりました。その打開策として髪と眉を黒く染めてみたところ、上手く撮影イメージに合ったアジアの女性らしい端正さが醸し出されました。
またバナーでは襟元しか映っていませんが、着用している衣装もコンセプトに沿ったデザインの衣装を選び抜くなど、強いこだわりをもって撮影しています。

その他にも髪で口元が隠れてしまうことで、女優はその全てを瞳で演じることになりました。カメラマンのオーダーで、「殺気立った瞳」と「じっと睨みつけるような瞳」を掛け合わせたような視線の演技を繰り返し行い、また顔にかかる髪の毛にも微調整を重ねることでようやく理想的な作品に仕上がりました。
強さの中に女性らしい毅然とした姿勢があふれ細部までこだわり抜いた本作からは、顔楷書の威風凛凛とした様子を余すところなく感じることができるでしょう。


顔楷書
顔楷書
カテゴリー:毛筆系書体
書体の太さ:W5/W7/W9

顔楷書は上品で端正なスタイルながら、雄渾なストロークと伝統的な筆墨の楷書特有の趣を持ち合わせ、終筆部分は毛筆の柔らかい質感が表現された優美な楷書体です。タイトルにもデザイン性のある文字にも端正な雰囲気を持たせることができます。
顔楷書

   More Information

次 : 優しさは 何よりも 強く美しい。 / 相撲体   
前 : 飛び出す個性が奏でる旋律 / クラフトKANKAN