PICK UP 書体
2017年06月15日

DynaFont PICK UP書体-唐風隷書体

はるかに続く、深い余韻

 

心静かにあなたの為の一杯を入れる、
小さな湯呑の中に広がる「最も美しい景色」
言葉で表せないほどの共鳴が生み出す「最も美しいひと時」
一期一会の出会いは、いつの日か深い余韻となっていく。
今回のダイナフォントストーリーでは味わい深い書体-唐風隷書体をご紹介します。はねとはらいには、まるで長年経験を積んだ後の落ち着きと余裕を感じることが出来ます。良い文字とは良いお茶のように、味わい深く、深い余韻を残します。
私たちと一緒に唐風隷書体の姿に迫っていきましょう!

 
“刀を一振りする時にきらめく鋭い光”から得たヒント
唐風隷書体のフォントデザイナーは長年に渡り書道に携わってきたため、「墨韻」などの筆づかいに対して熟知していたこともあり、DynaFontの多くの毛筆系書体が生まれ、古代の拓本を模写して開発されたのが、優雅で古風なフォント製品です。
デザイナーが以前京劇を鑑賞した際に、舞台上の演者が剣舞を力強く舞っていて、それに合わせて力強い銅鑼の音がドンと響き、ストーリーが盛り上がりに達したちょうどその頃、観客全員が全神経を集中させながらその勝敗に見入っているさなか、ストーリーではなく、剣舞が持つ力強さに深く引き込まれ、インスピレーションが刺激されたことがきっかけで、書体の開発にも影響を及ぼし、唐風隷書体が生まれたのです。
唐風隷書体 開発の由来
隷書のDNA+デザイナーの書風=唐風隷書体
唐風隷書体のデザイナーは特に隷書に長けており、この書体を開発するよりも前の1989年に、中国漢代の<史晨前後碑>、<乙瑛碑>からヒントを得て隷書体を開発したことから、隷書の特徴に関しては十分熟知していました。1995年前後に発表された唐風隷書体は、隷書体をベースに、さらに変化を加えたもので、隷書の平べったい外見だけではなく、デザイナー独自のストロークが加わった結果、彼自身の筆跡に近い仕上がりになりました。穏やかで寛大な雰囲気の見た目である唐風隷書体は、まさに唐代のイメージである広く、ゆったりとした印象と隷書独自の構造を持ち合わせているため、唐風隷書体という名称になりました。
※隷書の特徴
隷書は実をいうと見た目とのギャップがある書体で、外見は荘重ですが、ストロークに関しては所々力強さが見られる為です。隷書は秦から漢の間に発展し、篆書から変化を遂げた文字で、丸みを帯びた篆書のストロークが角張った運筆へと変化を遂げ、より速く竹簡や帛書などに書くことが出来るようになりました。秦から漢にかけての出土品として発見された竹簡は躍動感があり、模写した作品を見ると、速いスピードで書かれた筆跡を見ることが出来ます。一見するとひどい文字にも見えますが、今日の研究者は、芸術性の高い文字として認識しているなんて、本当に驚きです!
曲線を主体とした篆書
▲曲線を主体とした篆書
波打つような運筆が特徴的な隷書
▲波打つような運筆が特徴的な隷書
 
唐風隷書体の特徴
唐風隷書体は、隷書が持つ古風で飾り気のない要素を残しつつも、落ち着いた趣とデザイナー自らが古風なものを新たに解釈した要素を付け加え、外観をより豊富なものにし、はね、はらいがまるで剣のような鋭さをイメージした見た目になっています。唐風隷書体をじっくり見てみると、京劇の「武生」役を長年経験した人のように、刀を振るう際の堂々とした冷静沈着な振る舞いを感じることが出来ます。

DynaFont唐風隷書体の特徴

▼唐風隷書体 書体見本
DynaFont唐風隷書体の特徴

おすすめの活用方法
唐風隷書体は古風な雰囲気を持ち合わせており、お茶や酒類などの名称や刊行物、ポスター、看板などで、エレガントな雰囲気を演出したい場合におススメです。

「唐風隷書体」フォントデザイナーへの質問/デザイナーの制作秘話
Q. 今も書道は続けていますか?
デザイナー:「大分練習していないのですが、書道はもう三十年近く取り組んでいます。以前毛筆系の書体を開発した際には、関連する拓本などの模写によく行っていたのですが、最近は日本ではおなじみの、お店ごとに異なるオリジナルの手書き文字のように、宣伝に使用するような文字が好きですね。この前日本の立山黒部へ旅行に行った際に、レストランでもオリジナルの手書き文字を見かけて、印象深く、本当に素晴らしいと思いました!」

Q. 一番好きな古代の書体はありますか?
デザイナー:「『王義之』の書体が一番好きですね、とても自然で、その筆使いには魅了されます!」

Q. それでは「王義之」とあなたのスタイルを組み合わせて、新しいフォントを作ろうと思ったことはありますか?
デザイナー:「王義之は行書と草書で有名ですが、私は隷書が得意なので、ちょっと組み合わせにくいですね!また、王義之のスタイルは行書のように文字が繋がっているので、デジタル化は難しいかもしれません。


※唐風隷書体は、ダイナフォント年間ライセンス「DynaSmart」シリーズに収録されています。DynaSmartシリーズの詳細はこちら

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