メイキングストーリー
2017年02月21日

長い時間をかけて 心をこめて お届けします。 / 雅風隷書体

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【はじめに】

雅風隷書体は、伝統的な隷書のストロークをベースに、転折に柔らかさを持たせた書体です。扁平ですっきりとした字形に、ほっとするような温かさが加わり、 それはまるで、張り詰めたような空気の中で日々真剣に仕事と向き合いながらも、常に落ち着きと、優雅な振る舞いを忘れない職人のようです。 

【デザインの発想】

長い時間をかけて
心をこめて
お届けいたします。

早朝の日差しは活気があり、明るさをもたらしてくれます。そんな早朝を浴びて金細工職人の一日は始まります。 仕事を始める準備として、まず道具の上に被せてある埃防止カバーを開きます。
それはまるで仕事を始める前の神聖な儀式のようです。布で覆われている金工道具は主人が来るのを静かに待っており、職人は自分の呼吸を整えるように緻密に道具を移動させていき、全てを整えた時、今日の作業の開始となります。

【撮影】

フォントデザイナーも、金細工職人のように長い時間をかけて心をこめてデザインした書体から傑作が生まれます。制作スタッフは、雅風隷書体の優雅で広々としたイメージをリアルに伝えるために、画面全体のコントラストを明るく調整し、小道具を卓上の布から金工用具までプロ仕様の道具で揃えました。
今回の撮影は金細工職人の目線で描かれており、被せてある布を捲ることで気合が満ちていき、仕事の幕開けをイメージさせるシナリオでスタートします。続いて職人がゆっくりと帆布の道具セットを広げ、荘重に卓上へ並べていく様子は、まるで心まで整えているかのようです。こうして今日の仕事の準備が整います。

【制作秘話】

今回のストーリーでは金細工職人をテーマにしているため、職人の自然な手運びがポイントとなります。手先を使って細工をする職人の手は、綺麗過ぎると相応しくなく、熟練のしなやかさに疲れを感じさせないような力のある手を持つモデルを採用することで、雅風隷書体の悠然としたイメージを表現することができます。
イメージに合うハンドモデルを探し出し、ようやく被せてある布を捲るシーンの撮影が始まりました。しかし、実際に撮影してみると、簡単な動作に見えても、ハンドモデルもなかなかイメージを掴むことが難しく上手くいかない状況が続きました。硬すぎず、なおかつ、軽すぎないような手の運びが求められたため、制作スタッフもハンドモデルがリラックスできるような環境を生み出せるよう苦心しました。何度かの演技指導の末、ハンドモデルは、深呼吸で心を整え、今までのテイクでの動作の甲斐もあり、スムーズに動作を行えたことで、一番自然な状態で撮影することができました。
また、撮影監督も早朝のシーンに欠かせない自然な光を演出するために苦労を重ねた結果、最良の光を撮影でき、こうして小道具、照明、ハンドモデルから画面構成まで緻密に作り上げていき、きめ細やかな熟練の職人の仕事風景を再現した撮影ができました。
デザインの発想から画面のレイアウト、そして撮影完了まで、何度も微調整を重ねて仕上がった作品には、画面上に表現された金細工職人の心と所作が溢れています。工夫を凝らすだけではなく、長い時間をかけて、心をこめて、作り上げるフォントデザイナーの、職人としてのプロ意識を感じながら、動画を楽しんでいただけたら幸いです。


古籍木蘭
雅風隷書体
カテゴリー:毛筆系書体
書体の太さ:W3

「DF隷書体」をベースに、モダン・ライト・シンプルといったデザインエレメントを取り入れる事で伝統的な隷書に柔らかい新風を吹き込んで完成した書体です。小さな文字も視認・可読できる実用性を兼ね備え、書籍・小説・詩などの本文の文字組、また、他の書体とも合わせやすく、様々なプロダクトデザインにおいて幅広く活用できます。
古籍木蘭

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