DynaFont PICK UP書体-まるもじ体
彼女にとって16歳のあの夏は、最高の仲間と過ごしたとっておきの時間。
それはキラキラとまぶしい太陽の下で
青春の一ページとしてずっと刻まれていく・・
太陽と、砂浜と、甘くてみずみずしいスイカは、
いつだって16歳の夏を華やかにしてくれるから
今回のダイナフォントストーリーでは「まるもじ体」をご紹介します。文字を通して「青春」を表現した「まるもじ体」の世界へ、皆様をお連れします!
▲デザイン道具:色鉛筆
当時のデジタルフォントは明朝体、ゴシック体、楷書体、まるもじなど基本書体が中心だったため、90年代初期の市場では、綜藝体や雅藝体に類似したスタイルのフォントはまだ多くはありませんでした。伝統的なフォントのスタイルを打ち破るために、当時弊社内でも人目を引くようなデザイン、且つ親和性のあるフォントを開発したらどうか、と検討していた時期があり、デザイナーが普段手書きしている文字が可愛く見えたため、最終的にはデザイナー自らが手書きした文字をベースとして開発が進められていきました。
まるもじ体の制作期間は約2年(1991~1993年)に渡り、発表後すぐにDynaFontの中でも人気の高い文字になっていきました。用途も幅広く、マンガや旅行関連、テレビ広告など動きのあるシーンから、明るくはじけるようなシーン、青春の一ページを演出したい時など様々なシーンに適しています。
まるもじは曲線によって構成されており、書き始めから終わりまで丸くデザインされたもので、字幅を拡張することで、生き生きとした表情と活発で可愛らしい若さあふれる雰囲気を表現しています。フレーム構造がルーズになりすぎないように注意し、また、変形を防ぐために、ストロークの弧度を滑らかに仕上げ、全体的なバランスが整うように配慮し、デザインを仕上げていきました。
▼まるもじ体 書体見本
「まるもじ体」フォントデザイナーへの質問
Q.まるもじのデザインにあたって感じたことは何ですか?
デザイナー:「初期の頃は手書きでデザインをしていたので、7,000個近い文字を手書きした際には、全神経を集中させて注意を払いながらも、より良い仕上がりを目指して、何度も修正を行いました。」
Q.デザインの際に何かハプニングはありましたか?
デザイナー:「まるもじをデザインした時に色鉛筆で書いていたのですが、その中の黒しか使用しなかったので、最終的には色鉛筆の箱から黒だけが消える、という事態になりました。」
Q.まるもじが思いもよらない使い方をされていたケースはありますか?
デザイナー:「前にケータイのシステムフォントにまるもじが使用されていたことがありました。」
Q.まるもじ、つまり女の子が書くような文字が開発されたということは、男の子が書くような文字の開発を検討したことはありましたか?
デザイナー:「検討したこともあります。男の子が書くような文字はオシャレな雰囲気もあって、女の子が書く文字とは別の雰囲気を持ち合わせていると思います。」
Q.将来的にどのようなフォントの開発に挑戦したいですか?
デザイナー:「私がまるもじを開発した当時はまだ若かったのですが、もう若くないので(泣) そろそろ“おばちゃん文字”でも開発しようかと思ってました!」
まるもじ体は、ダイナフォント年間ライセンス「DynaSmart」シリーズに収録されています。 More Information