DynaFont 多言語の世界
2016年06月14日

DynaFont 多言語の世界 -ミャンマー語 (DFUniGothc MY1)

ミャンマー語「こんばんは」


ミャンマーとは揶揄し難い、
神秘的なイメージを持つ国である・・

 

ミャンマーと言えば必ずと言って言いほど、アウンサンスーチー(Aung San Suu Kyi)や、軍事政権、自由民主化を待ち望む民衆などを思い浮かべると思います。その他を問われると中々思い浮かばないと思いますが、実はこの神秘的な国には、高くそびえる山や生い茂った密林、賑やかな繁華街、涅槃像など、魅力あふれる要素がたくさん潜んでいるのです。

ミャンマーについて覚えておいて頂きたい点はこれだけではありません。今回のダイナフォントストーリーでは多言語シリーズの第二弾として、芸術性の高いミャンマー語をご紹介します。
ミャンマー語の経典
▲ミャンマー語の経典
ミャンマー語(ビルマ語)は、シナ・チベット語族のチベット・ビルマ語派におけるとても重要な言語で、今のところヤンゴンの発音を基準にしており、約3200万人が使用しています。
ミャンマー文字(ビルマ文字)の起源は11世紀までさかのぼり、当時パガン王朝がミャンマー地区を統一した際に統治階級であったビルマ族は、どうやって人々にビルマ族の文化を普及させていくか、という問題に直面したことから、統一の文字を作るという発想が生まれました。
文字を作る際に国王が最初に思いついたのは・・
ミャンマー語(ビルマ語)が生まれる前までは、ピュー語とモン語がよく使われていましたが、比較してみると、モン語は字母のつくりがピュー語よりもずっと簡単で、チベット族のモン族文化に対する一種の一体感のようなものから、新しい文字を懸命に作ろうとしたアノーヤタ王(1044-1078)は自然とモン語に目を向けることとなりました。 1057年に王はモン語の母音を用いて書かれたパーリー語の大蔵経をパガン王国に持ち帰りましたが、言語系統が異なるため、ビルマ語とモン語では音と符号は合わないという事態が発生することとなりました。その際、幸いにもセイロン(現在のスリランカ)からの修行僧の助けの元、ビルマ族の音韻系統とビルマ文字を作り上げたと共に、パーリー語とサンスクリット語に取って代わって経典の編集に使用される正式な文字になりました。

その手で刻んだ文字は、必ず後世に「文字」として足跡を残していく
西暦1112年に建てられた「ミャゼディ碑文」*には、四面体に同一の内容がパーリー語、モン語、ピュー語、そしてビルマ語の四つの言語で刻まれており、ミャンマー(旧ビルマ)の文字がまだ完全には統一されていない様子を垣間見ることが出来ます。ナラパティシードゥー王(Narapatisithu)の時代になってようやく統一され、モン語が他の言語に取って代わり、正式に使用する文字となりました。
*ミャンマーパガン王朝で最も価値の高い石碑の一つ、1911年にパガン近辺で発見され、記載されている言語はミャンマーの歴史を研究する上で最も重大な要素となっており、また、歴史上にビルマ文字として記録されていく発端となったものとして認識されています。
※インドと東南アジア:
古代中国とインドは東南アジアに強い影響を与えており、中国は特に政治面で影響があり、年貢を納めるように要求していたり、逆にインドは文化や宗教面での影響があり、東南アジアに深く根付くこととなり、政治の場でも力を及ぼすことにになりました。インドの文化が東南アジアに入ってきた際に、宗教の影響が特に大きく、その他には文字、芸術、建築なども入ってきたため、東南アジア各地はインド文化と宗教の支配を強く受けているのです。
ビルマ文字は元々芸術家が使用する文字だった!?
ビルマ文字はブラーフミー系文字に属していて、音標文字の一つでもあります。それは昔、文字を書くのにタラバヤシの葉に書いていたため、裂けないように字母を丸く仕上げたことから、ビルマ文字独特の形になったのです。 ビルマ文字は基本的に33個の基本字母から構成されており、1つ1つの基本字母を単体で発音する際には全てに「a」の音が附帯しています。字を書く際には左から右に向かって書く形式で、それぞれの音節は基本字母が中心となっており、周りに子音記号もしくは母音記号が加わり、1つの音節となっています。また、ビルマ文字は音節と音節の間に符号などが付いていないことも特徴の一つです。
ミャンマー語の本とDVD
▲ミャンマー語の本とDVD
ミャンマー語の会話表現 ミャンマー語の会話表現
 
※ミャンマー語における敬語:
ミャンマー人は日常生活で敬語を使用することがあります。例えば日本語で言うところの謙譲語もあり、自分をへりくだって言うこともありますが、通常の場合は「私」という表現を使用します。ただし、社交的な場で「私」という風にくだけた言い方をすると、仏教の教えで良く言われる「五毒」の1つである「慢心」という、相手に傲慢な印象を与えてしまうため、場合によって使い分けが必要となります。
DynaFontミャンマー語(DFUniGothc MY1)におけるデザインコンセプト
DynaFontミャンマー語(DFUniGothc MY1)におけるデザインコンセプト
ミャンマー語の形態は、丸みを帯びたフォルムと、弧を描いているような曲線で構成されており、視覚的にも大きく膨らんで見え、はっきりと見えにくい傾向があります。そのため、デザインの際には丸みと曲線を調整し、識別性の高い仕上がりが不可欠であるため、難易度も高いフォントと言えます。

DynaFontミャンマー語(DFUniGothc MY1)におけるデザインコンセプト2
DynaFontミャンマー語(DFUniGothc MY1)書体見本
フォントデザイナーの制作秘話
★ミャンマーにはビルマ族、モン族、シャン族、カチン族、カヤー族、カレン族、チン族、ラカイン族など合わせて8つの民族がいます。共通言語以外にも、それぞれの民族ごとに独自の言語と文字が存在しています。

★ビルマ族は、ミャンマーで最も早く文字を生み出した民族です。そのミャンマー語は、現在全土で使用される公用語となっています。彼らは数多くの著名な文学者や歴史学者、詩人を世に輩出してきました。

★ミャンマー語の発音にも、日本語の「あ、い、う、え、お」と似たような発音が存在します。

★ミャンマーを研究した際に、ミャンマーにおける「十二支」はとても独特で、面白いと感じました。ミャンマー文化にも「十二支」と似たような動物を当てはめる文化が存在します。ただし、ミャンマーの十二支は曜日ごとに分けられており、毎日その日を代表する動物が決められています。水曜日は午前と午後それぞれに異なる動物が当てられているので、全部で8種類の動物が存在しています。こうした動物は各曜日を象徴しているだけではなく、それぞれが異なる方角と天体にも応じていて、このような部分にもミャンマーの伝統的な世界観が表現されているのです。一般的にミャンマー人の名前は、生まれた曜日に合わせて命名されるので、ミャンマーの人々は自分が生まれた曜日をよく知っています。こうした文化は非常に珍しく、ミャンマー文化の中でも特に興味深く、面白いと感じました。


この記事でご紹介しているミャンマー語フォント(DFUniGothc MY1)は、年間ライセンス「DynaSmart V」シリーズに収録されています。カタログやDM、パンフレット等、様々な印刷物の制作にご利用いただけます。また他にも、スマートフォンや家電製品の液晶等に表示させる組込み用フォントも取り扱っております。

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