
【はじめに】
華康明朝体は、繊細なディテールの中に、毅然と揺るがない強さといった面を持ち合わせている書体です。それは初出社を迎える新社会人の不安や緊張感、同時に湧き上がる期待や決意、そして希望を予感させます。
-華康明朝体
【デザインの発想】
出社1日目の、気が気でない心境を描いてく。
緊張感が伝わる細かな動きに、空気をぎゅっと凝縮させて・・・
まだ削られていない鉛筆は、これから磨かれ成長していく未来の自分を予感させる。
ふと、ノートをめくると、同僚が書いてくれた応援メッセージが現れ・・・
揺れ動いていた心は見えない力でしっかりと繋ぎ止められて・・・
こうして心にかかった霧が晴れ、これから始まる挑戦への準備が仕上がっていく。

↑手書きのラフ
【撮影】
リクルートスーツを整える様子や、深い呼吸、ほんの少し震える両手といった体の細かな所作に、初出社を迎える新社会人の緊張感や焦燥を表現しました。そして応援のメモ書きを見た瞬間にそれらが一掃され、ラストの鉛筆を削るシーンで、新社会人のやる気や決意といった感情を代弁することで、温かい感動を演出しました。

【制作秘話】
最初に今回の撮影アイディアを思いついた時、画面上に映るのが顎や喉元と手だけだとしても、プロのモデルさんにお願いしたいと思い、モデル事務所へ依頼しました。モデルさん自身もオファー当時は、撮影で一部分しか映らないとは思っていなかったようです(笑)。前のカットの撮影がかなり押してしまい、このモデルさんは午後2時からスタンバイに入っていたのですが、実際の撮影が始まった夜の7、8時頃までスーツを着た状態だったので、とても大変でした。
最初は鉛筆を削るシーンから撮影しました。台湾の制作チームは事前にモデルさんにナイフで削れるかと確認した際に、「もちろん大丈夫です!」という答えだったのですが、実際に撮影を始めたところ、なかなかうまく削れなかったということがありました。結果的に動画のバナーでは鉛筆削りを使用して撮影しましたが、それでもモデルさんは何とかナイフで削ろうと懸命に練習していました。今回の撮影を通じて、また一つ新しいスキルを身につけたのではないでしょうか(笑)

続いては会社でのシーンの撮影に入りました。台湾の制作チームは首、唇と喉仏の動きから新入社員の不安と緊張感を表現しようとしていたので、表現がかなり難しく、結果何度も撮影しなおしました。
ノートを開いた時に映し出される応援メッセージは、このバナー全体のキーポイントになります。リアリティを追求するために、ダイナコムウェアの様々な年代の社員に書いてもらったメッセージの中から選んだとっておきの一枚です。人それぞれ書いた文字から伝わる雰囲気が異なるので、沢山のメッセージを準備しました。最終的に台湾の制作チームが選んだのは、シンプルで飾り気のない印象が伝わってきた「頑張れ」です。
また、さらなるリアリティを追求するために、デスクの上に置かれている社員証は、ダイナコムウェアの本物の社員証を使用しています。
細部までこだわったバナーですので、是非皆様ご覧ください。

カテゴリー:基本書体
書体の太さ:W3/W5
華康明朝体は、通常の明朝体と比べ、ストロークの曲線や仮名の連画を増やし、横画においても三角形部分の円弧がより滑らかにデザインする事で、伝統的な書道の美しさを追求した明朝体になっています。

本文に記載している華康明朝体は年間ライセンス製品「DynaSmart」シリーズに収録されています
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