連載コラム
2015年11月06日

ぬらくら 第59回 ウエブ・ページの文字組み

気がつくと窓の外がいつの間にか暗くなっているこの頃、外の風もヒンヤリと冷たくなっています。あの暑さが懐かしいくらいです。

そして、いよいよ紅葉が、郷土の名物料理が、そして嫌いな人はいないだろう温泉が招く季節、秋です。そこで欠かせないのが旅行の計画を立てるときのイベント情報誌や旅行ガイドブックです。それも今はインターネットがその代わりを果たしてくれるようになりました。

皆さんの中には、既にインターネット上のこうした情報サイトを上手に活用していらっしゃる方が沢山いらっしゃることでしょう。

インターネット上に書かれている記事でとても気になるものがあります。それはイベント情報や旅行ガイドのウエブ・サイトだけではなく、日々の ニュースを伝えているニュース・サイトでもしばしば目にします。

気になる点というのは記事の内容ではなく記事の書き方、もっと具体的に言えば文字の使い方です。

インターネット上の記事の中には和文の中に外国の人名や地名、件名などを 欧文(アルファベット)で表記している和欧混植のページが沢山あります。

そうした記事の中に欧文で表記された単語の文字と文字の間がスカスカしている 記事をご覧になったことがあると思います。ひどいときには欧文単語の途中で行が 変わっていたり、数値の小数点が「・(中黒)」になっていたりということすら あります。こうしたウエブ・ページは見た目に汚いだけではなくとても読みにくいです。

ぬらくら子が気になっているのはこうした記事です。

欧文単語を表記するときにフォントの半角(*1)のアルファベットを使わずに、 全角(*2)のアルファベットを使うと上記のような読みにくい和欧混植ページに なってしまいます。

意外なことですが新聞社系のニュース・サイトにこうしたページが多いようです。

『英数字は1バイト(半角)領域の文字を使う。ただし、一文字(1やAなど)で使用する場合は2バイト(全角)領域の文字を使用する(*3)。』と教えられてきたぬらくら子には、和欧混植のルールが守られていないウエブ・サイトが気になります。

半角/全角の切り替えはWindows OSならキーボード左上にある[半角/全角]キーで、 Mac OSなら[Command]キーと[スペース]バー(キー)で行うことは皆さんが ご存じの通りで、難しいことではありません。

アルファベットや数字などを含めて全て全角で表記しているウエブ・サイトに新聞社系のニュース・サイトが多いということは、小数点に中黒が使われていることから察するに、新聞や雑誌など縦組みの原稿で使用したテキスト・データを そのまま流用しているのかもしれません。

欧文表記に使われている文字の全角/半角の文字変換はそれほど難しいことではないので、 対応してくれると読みやすい記事がふえるのですが、なかなかそうなりません。ウエブ・サイトのニュース記事は一過性が強いと考えられているのでしょうか、 これも気になります。

パソコンで使用している日本語フォントにはカタカナ・アルファベット・数字と 一部の記号には全角と半角があることを、もう一度、ぬらくらコーナーの記事 「符号化文字集合」(*4)でおさらいしてみてはいかがでしょうか。


*1 半角
バイト数が1バイトの文字。 ASCII規格およびJIS X 0201規格で定めている文字(*4 符号化文字集合を参照)。記事はこちら

*2 全角
バイト数が2バイトの文字。 ASCII規格およびJIS X 0201規格で定めている文字以外の文字(*4 符号化文字集合を参照)。記事はこちら

*3 英数字は1バイト領域の文字を使う。ただし……
「英数字は全て1バイト領域の文字を使う。」という考え方もある。

*4 符号化文字集合
2012年3月30日発行の「ダイナフォント News Letter(Vol.18)ぬらくらコーナー『符号化文字集合』」を参照。 記事はこちら
タイトルの「ぬらくら」ですが、「ぬらりくらり」続けていこうと思いつけました。
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  著者 Information

著者
ダイナコムウェア コンサルタント
mk88氏

PROFILE●1942年東京都生まれ。
1966年桑沢デザイン研究所ビジュアルデザイン科卒。
設備機器メーカー、新聞社、広告会社を経て、
総合印刷会社にてDTP黎明期の多言語処理・印刷ワークフローの構築に参加。
1998年よりダイナコムウェア株式会社に勤務。
Web印刷サービス・デジタルドキュメント管理ツール・電子書籍用フォント開発・
フォントライセンスの営業・中国文字コード規格GB18030の国内普及窓口等を歴任。
現在はコンサルタントとして辣腕を振るう。
Blog:mk88の独り言

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