中国語フォント(簡体字)GB18030対応フォントセット

中国（中華人民共和国）の文字コード規格として、従来のGB18030-2005拡張規格（部分修正、追加を含め）として新たに中華人民共和国国家標準GB18030-2022「信息技術　信息交換用漢字編碼字符集」が2022年7月28日発表され、2023年8月1日より実施されました。

GB18030のGBは「国家標準」を中国語読みしたときの音声「GuoJia BiaoZhun」からGとBをとったもので「国家標準18030」を表しており、他のGBとつく規格と共に強制力を持った規格であることを示しています。

この規格は、文字符号化の規格で情報交換用の基本の図形文字および、そのバイナリコードの16進法表示を定義（GB18030-2022規格書前文）したものですが、「中華人民共和国標準化法」や「中華人民共和国国家通用語言文字法」でこの規格の遵守が求められています。

中国政府による決定で重要なことは、2023年8月1日より中華人民共和国国内の全ての文字表示・出力機器に対してこの規格に対応した中国語フォントの採用が義務づけられていることです。

GB18030-2022の施行に伴い、併せてビットマップフォントの標準字形を定めている国家規格の遵守も求められています。中国語フォント（簡体字）のビットマップフォント、TrueTypeフォントが、GB18030-2022の対象になっています。

文字符号化の規格

GB18030は、コンピュータで扱う文字や記号類を重複することのないように選び、それらの文字や記号に固有の符号（番号）を付けた文字・記号の集合の規格です。

ビットマップフォントではサイズごとに文字・記号を表示するマトリックス（格子）が固定されています。画数が多い文字を固定されたマトリックス上で表現すると多様な字形が可能になり誤読の原因となります。そこでビットマップフォントについては国家規格でサイズごとの字形が定められています。ビットマップフォントに収録される文字・記号の集合はGB18030に基づいています。

GB18030に関連する法律

関連法律

1. 中華人民共和国標準化法

第三章　国家標準の実施

第十四条　国家標準は強制力があり遵守されなければならない。国家標準に適合しない製品は生産・販売を禁止する。

2. 中華人民共和国国家通用言語文字法

第二章　国家通用言語文字の使用

第十五条　情報処理および情報技術製品の中で使用される言語文字は国家標準に符合しなければならず国家標準を規範とする。

3. 教育部の命令「情報技術製品の国家共通言語文字の使用管理規定」

第三条　情報技術製品の使用においては、国家で制定された言語文字の規範基準に従う必要がある。

第五条　基本ソフトウェアは情報技術の文字コードセットなどの基準に従う必要があり、漢字の文字データベースは漢字字形の規範に従う必要がある。

・漢字規範：通用規範漢字表

・文字コードセット国家標準：GB 18030、GB/T 2312、GB/T 13000

・漢字字形国家標準：GB/T 22320、GB/T 19967.1、GB/T 5007、GB/T 5199、GB/T 6345、GB/T 12041……

・漢字字形電子業界標準：SJ/T 11240、SJ/T 11241……

GB18030関連政府機関

GB18030の策定に関係する中国の機関は以下の通りです。

1. 中国電子技術標準化研究院／China Electronics Standardization Institute（CESI）
   国家情報産業省とともに国内情報産業の標準化機構として情報技術およびエレクトロニクス関連分野の標準化の責任を受け持っており、ビットマップフォントライセンスの主管機関です。






「GB18030 16ドットの規格書（規格番号：GB/T 22320-2019）」に、本標準規格全ての技術内容は強制力を有すると明記されています。また当該字形データの使用許諾、データの維持、更新、訂正に関して、中国電子技術標準化研究院、全国情報技術標準化技術委員会が纏めて管理するとしっかり明記されています。



2. 中華人民共和国工業情報化部／Ministry of Industry and Information Technology（MIIT)
   中国電子技術標準化研究院の上位機関、中華人民共和国国務院に属する行政部門、GB18030-2022の主管機関です。






「GB18030 の規格書（規格番号：GB18030－2022）」に、本標準は、中華人民共和国工業情報化部が提出し、纏めて管理することが明記されています。



3. 全国情報技術標準化技術委員会／China National Information Technology Standardization Technical Committee（NITS）
   国家品質検査総局と国家情報産業省の指導下にある中国最大の標準化委員会で、全国およびISO/IECJTC1に対応する標準化の責任を負う技術組織で、事務局は中国電子技術標準化研究院にあります。


4. CESI実験センター
   中国合格評定国家認可委員会（CNAS※）の認可を受けているため、中国語文字コードと字形標準適合検査の資格を有する検査機構で、アウトラインフォントの適合検査の主管機関です。
   ※CNAS（China National Accreditation Service for Conformity Assessment）
   ・中国合格評定国家認可委員会は認証機構、実験室ならびに検査機構等の関連機関の認可業務の一元的な　責任を負う機関。
   ・中国合格評定国家認可制度の国際的な相互承認体系への統合。
   ・IAF(国際認定フォーラム: International Accreditation Forum, Inc.)、PAC(太平洋認定協力機構: Pacific Accreditation Cooperation)、ILAC(国際試験所認定協力機構: International Laboratory Accreditation Cooperation)などの組織と　国際的な相互承認関係になる。ILAC(国際試験所認定協力機構: International Laboratory Accreditation Cooperation)などの組織と　国際的な相互承認関係になる。

中国語文字表示・出力製品に搭載するビットマップフォントは、「ビットマップフォント標準字形の国家規格」に基づいた字形データを使用する必要があります。

GB18030の適用対象機器は情報処理および情報技術製品です。「全ての文字表示出力機器」とされています。

規制対象製品となるかどうかの判断は？

中国語フォント（簡体字）のビットマップフォントを搭載する製品がGB18030の規制対象となるかどうかは、中国電子技術標準化研究院（CESI）が判断しています。中国政府による市場での抜き打ち検査の結果とメーカーの判断が異なる場合は中国電子技術標準化研究院（CESI）が判断します。

事前に中国電子技術標準化研究院（CESI）の判断を得ておけば、開発製品が市場で販売停止処分になるというリスクを回避することができます。中国電子技術標準化研究院（CESI）もメーカーが独自に判断せずに事前に同研究院に問い合わせるよう強く勧めています。

ビットマップフォントの使用を検討している企業からのお問い合わせに関しては、その都度、弊社が中国の関係機関に問い合わせてお答えしています。

「GB18030-2022」は、2022年7月28日に中国国家標準化管理委員会により発布された10種類の中国少数民族文字も含めた強制国家標準「情報技術中国語文字コードセット」です。

2005年版より17,000以上の文字が追加され、合計87,887の漢字と228の中国語の部首が含まれています。

この標準は2022年7月28日に公開され、2023年8月1日から施行されます。

新標準の実施までは「GB18030-2005」の適合は認められますが、新標準の実施後は「GB18030-2005」は廃止され「GB18030-2022」の適合が必須となります。また、お客様の使用用途に応じた3段階のレベル分けが実施されます。

GB18030-2022には実装の際に満たすべき3つのレベルが制定されています。

上図の条件をご参考にして、製品ごとにどのレベルに該当するのかご判断ください。