ダイナコムウェアは、「DynaFont(ダイナフォント)」ブランドを確立し、アジア最大手のフォントベンダーとして創立以来、一貫して文字のデジタル化に取り組んでいます。

DynaFontの開発コンセプトとして、書体毎の字形特有の美しさを緻密に保ちつつも、デジタル組版で求められる文字組の統一性や整合性、そして規格の一致に注力した高品位なフォント開発が挙げられます。それらの基本コンセプトを踏まえた上で、独創性に溢れたデザインエッセンスを加えた書体をバリエーション豊かに開発していく事でフォントベンダーとして唯一無二の存在感を出し、その企業価値を高めています。

DynaFontの歴史は、現在までにおよそ5つの時期にカテゴライズできます。 ブランドの始まりとなる黎明期では、「明朝体」「ゴシック体」「楷書体」「丸ゴシック体」といった汎用性の高いオーソドックスな書体の開発からスタートしました。これらの基本書体は現在の文書作成においても広く活用頂ける汎用性の高い書体となっています。第2期となる揺籃期では、代表的な書体として「魏碑体」が挙げられるように、古代書家の書道作品や石刻書道等を基に毛筆系書体に注力し、開発していきました。第3期となる確立期では、揺籃期で開発してきた毛筆系書体に、DynaFont独自のデザインエッセンスを加えた毛筆系デザイン書体を開発する事で、ブランドの方向性を確立していきました。また、この時期の代表的な書体として「唐風隷書体」が挙げられます。第4期では、第3期からの発展期として「まるもじ体」「クラフト遊」といった個性的なデザインフォントを開発していきます。そして、2004年以降となる第5期にてDynaFontは、いよいよ全盛期を迎えつつあります。フォント開発にテーマ性やシリーズ性を重視し、伝統的な書体文化に現在のデザインエッセンスを取り入れた古風書体を立ち上げ、「ロマン風書体シリーズ」「古籍書体シリーズ(2014年度グッドデザイン賞受賞)」を開発していきます。同時に、可読性・視認性・判読性を追求した全ての人の為のデザインである「UD書体シリーズ」の開発や、東京オリンピックなど更なる国際化時代を見据えた「多言語書体シリーズ」の開発にも注力し、文字文化の発展に寄与しています。

今後、ますます発展し、そして、成熟へと向かうダイナコムウェアは、これから先もアジア最大手のフォントベンダーとしての誇りを胸に、一文字ごとに、形ごとに、意味がある文字という後世に伝えるべく人類共通の財産である素晴らしい文化を未来へと〝華〟やかに伝えていきます。

DynaFont(ダイナフォント)の歴史

 
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第1期(黎明期):基本書体

DynaFontは、コンピュータが普及し始めた1980年代に「明朝体」「ゴシック体」「楷書体」「丸ゴシック体」といった現在の文書作成においても広く活用頂ける、汎用性の高い基本書体の開発からスタートしました。

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第2期(揺籃期):毛筆系書体

現在まで受け継がれている古代書家の書道作品や石刻書道等の文字のストロークを分析し「痩金体」「魏碑体」といった毛筆系書体を開発していきます。

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第3期(確立期):毛筆系デザイン書体

当時、文字をそのままデジタル化するアプローチが多かった中で、既存の毛筆系書体に、独自のデザインエッセンスを取り入れた毛筆系デザイン書体を確立しました。ダイナコムウェアが編み出したこの開発手法は、現在のフォント業界の開発においてスタンダードとしてフォント業界を牽引しています。
毛筆系デザイン書体の代表書体としては、素朴で扁平的な字形の「隷書体」に中国史の「唐」代の女性の流行であったふくよかさといったエッセンスを加えた「唐風隷書体」が挙げられます。

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第4期(発展期):デザイン書体

第3期までに培われたフォント開発力を下地に、フォント開発のさらなる発展形として、デザイナー自らが着想しクリエイトするデザイン書体を展開していきます。 現代のカルチャーとデザインエレメントを取り入れた「POP体シリーズ」、かわいさたっぷりの「まるもじ体」など、現在でも多くのフォントユーザーに愛用されているPOP系書体の多くは、この時期に開発されています。

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第5期(全盛期):古風書体

歴史やその当時の文化を表現する際に欠かせないキーワードが「文字」です。その文字という文化を通して、時代背景を連想し、時代ならではのアンティークな趣を表現した書体をDynaFontでは古風書体と位置付けています。「ロマン風書体シリーズ」は、昭和初期の書物や看板、ポスター、書物などに書かれた文字からイメージした書体です。当時の文化を感じさせる書体デザインは、ノスタルジーを呼び起こし、大正ロマン、昭和モダンを感じさせる書体シリーズになっています。また、台湾の「故宮博物院」に収録された古籍と復刻版の古籍の出版品から「元豊類稿」「唐百家詩選」「天工開物」「四庫全書」「范伯子集」の五冊に書かれた文字をベースに開発されたデジタル書体として「古籍書体シリーズ」が生まれました。「古籍書体シリーズ」は歴史的価値が高く文化性に優れた古籍文字に、長期の開発期間を費やしデザイン性を追求しブラッシュアップさせた事により文化性と芸術性の高さが融合された稀有な書体です。また、書体シリーズとして、それぞれに異なる特徴を有しながらも、どこか古風な情緒が醸し出されて、現代に生きる我々に古風な情緒と共に真新しい感覚を呼び覚ました古籍書体が業界で高い評価を受け、「2014年度グッドデザイン賞」の受賞に至りました。